自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介145 Sさんの事例
30代 / 男性 / 会社員
借入の理由:リボ払い、妻に秘密
横浜市瀬谷区にお住まいの30代男性のケースです。
リボ払いの地獄にはまって多重債務を負った事例といえます。
何となくリボ払いを使っている人は要注意です。
奨学金破産
奨学金を借りて、大学の費用にあてました。
大学の学費を奨学金で補っている人は非常に多いです。
進学の際に、奨学金の案内がされ、借金などとはあまり考えずに利用している学生も多いです。
また、借金だと理解をしても、それ以外の選択肢がないためこれを利用して進学している人もいます。
それ自体は責められるべきものではありません。
借金という事は、将来の収入から返すことが前提なので、それなりの収入を得られないと、後々に返済ができなくなってしまいます。
大学に行っても、安定した仕事に就職できず、奨学金を返済できない奨学金破産が社会問題になっています。
奨学金破産では保証人に請求が行く
自己破産をする債務に、保証人がついている場合には、元の債務者が自己破産をしたことで支払いを止めると、保証人に対して請求が行くことになります。
その時のための保証人なのです。
奨学金についても、保証人や連帯保証人をつけるケースがあります。
保証人がついている場合には、奨学金を自己破産することによって、本人の支払い義務はなくなりますが、保証人の支払い義務は残ります。
保証人への請求は、債務者からの依頼を受けて、弁護士が、機構などに受任通知を送った時点で始まるのが通常です。
保証人が支払えないのであれば、保証人自身が債務整理や自己破産をする必要があります。
このように、保証人に対して請求は行ってしまうので奨学金破産をする場合には、あらかじめ、保証人に対して説明をしておいた方が良いでしょう。
奨学金については、親族等の保証人をつけずに、機関保証と言うものもあります。
費用はかかりますが、現在の社会情勢、将来の収入の不安定さからすれば、奨学金を借りるとしても、親族保証人ではなく、機関保証の方が良いとする文献もあります。
リボ払いを利用して自己破産に
大学を卒業、就職して、収入をもらえるようになりました。
奨学金の返済も順調にできていました。
楽天カードを作り、日常的な支出のカード払いに利用していました。
その際、リボの仕組みが分からず、限度額になったら、あとからリボという方法で支払を続けていました。
いつのまにか借金が膨れ上がることに。
リボ払い誘導の危険性
リボ払いは非常に危険です。
毎月の支払い額が一定額に固定されたりするので、返済がラクだと感じます。
そして、その分、支出が増えてしまいます。
家計の収支は赤字なのに、厳しい返済がないので、良い生活ができると感じるのですが、その分、借金が積み上がっているのです。
翌月一括払いなどであれば、カードの利息はかからないわけですが、リボ払いでは高金利の利息がかかっています。
そのため、借金の総額は、全然減らずに、むしろ増えてしまうことが多いのです。
そして、多くのカードでは、このようなリボ払いに誘導してきます。
なぜなら、クレジットカード会社の利益は、利用者から回収する利息で成り立っているからです。
利息をたくさんとったほうが、利益が出るので、そちらに誘導するのは、営利企業であれば当然です。
クレジットカードを賢く利用するためには、そのような誘導に惑わされないようが必要なのです。
仕組みがわからずに利用するのは非常に危ないものです。
車のローンだけ残る
中古で購入した車が壊れてしまい、廃車になり、ローンだけが残りました。
そのローンが80万円程度残っていて、それを銀行で借り換えして支払うなどしていました。
自動車自体が高額な買い物なので、ローンを組んで買うかどうかも検討した方が良いものではあります。
中古で購入というのは、支出額を抑えるには良い選択だと思いますが、下手なものをつかまされると、このように利用ができないのにローンだけ残ってしまうリスクもあります。
購入の際にも、整備状況等確認をした上で支出を抑えたいものではあります。
妻の出産で収入が減る
結婚後、妻の出産がありました。
収入が変わらない一方で、妻が働けなくなり、予定よりも支出が多くなってしまいました。
そこで、仕事の関係で持っていたカードを使って、生活費の支出に充てるなどしていました。
新しいカードでも、定額払いを利用したところ、限度額をオーバーしたものがリボ払いとなり、高い利息による借金となっていきました。当時は、それにも気づかず。
借金のことは妻に秘密にしていたので、生活費を渡すと返済資金が足りず、他から借りるということを数年間、続けてきました。
転職により月収は下がったものの、ボーナスやアルバイトを併用することで、収入は増え、何とか返済を継続してきました。
しかし、さらに、子が誕生するなどして、家計の支出はさらに増えました。
そのような支出の増加を借金で補ってきたのですが、貯金もなく、アパートの更新のような突発的な支出に耐えられず、それぞれのカードも限度額となってしまい、支払が継続できないと思い、相談に来たものです。
配偶者に秘密の借金で自己破産
このように、配偶者に秘密で借金を返し続けている人もいます。
しかし、それを返せる条件としては、家計管理を握っている事が少なくとも必要です。
家計を配偶者が管理していて、自分の収入が小遣い制で、小遣いから支払う返済するというのは極めて難しいです。
隠れてアルバイトをして、アルバイト収入で返済をする人もいるのですが、肉体的に厳しくなり、長く続けられないことが多いです。
配偶者に秘密で返すためには、少なくとも家計管理を自分が行い、一定の返済額を捻出できることが必要になってくるでしょう。
学資保険と自己破産
今回のケースでは、相談者名義で、学資保険に入っていました。
保険料の負担も相談者。
子供にも、適切な教育を受けさせたいとの考えで、入っていたものと思われます。
この学資保険について、維持したいとの希望でした。
自己破産手続きでは、解約返戻金が20万円以上の保険については換価対象となります。
トータルの保険解約返戻金額が、20万円を超えていると、すべての保険が対象となってきます。
原則として、破産管財事件となり、破産管財人が選任され、これを解約して配当等に充てるということになります。
Q.破産管財人とは?
保険を、確実に維持するためには、保険の解約返戻金相当額を、自分の財産以外のところから準備し、破産管財人に渡す方法があります。
こうすれば、破産管財人としては、保険を解約してもしなくても同じ金額が配当の財源とできるので、あえて解約はしません。
それ以外の方法としては、保険の相当性や必要性などを主張し、自由財産拡張の申し立てをすることになります。
こちらの場合は、認められるかどうかは個別事情によって変わってきます。
他にどの程度の財産があるのかとか、全体で手元に残る財産がいくらぐらいなのかなど諸要素で判断されます。
現在、神奈川県では、トータルの資産として99万円までの金額であれば、管財手続きのうえで、なるべく自由財産の拡張を認めようという動きにはなっています。
しかし、破産管財人や裁判所の対応次第となってくるので、かなりばらつきある運用のだというのが実情です。
保険名義を変えても自己破産では処分対象
今回のケースでは、自己破産のことが配偶者にも発覚し、離婚騒動にもなっています。
破産申し立て直前に、保険の名義変更等の動きがあり、非常に問題になり、これを止めたりもしています。
自己破産の申し立て直前に、財産処分をすれば、破産手続で非常に不利なこととなるので控えなければなりません。
契約者名義を変えたからといって、財産を守れるわけではありませんので注意してください。
最終的に、保険を確実に維持したいということで、親族から解約返戻金相当額を準備してもらった上で、破産財団に組み入れ、保険を維持しています。保険の維持を最優先とした対応となりました。
保険がある場合には、早めの自己破産申立てを
このように、一定の保険解約返戻金がある場合には、毎月の保険料を支払っていると、解約返戻金も増えてしまいます。
なるべく早く自己破産の申し立てをすることが必要です。
財産処分の基準時は、破産手続開始決定時です。
弁護士に依頼したからといって安心して放置してしまうと、解約返戻金額が増えてしまい不利になります。
なるべく早く準備を進め、申し立てをし、決定をもらうことが、経済的にはメリットになるでしょう。
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