自己破産の申立に必要な書類一覧
FAQ(よくある質問)
Q.自己破産の申立に必要な書類は?
自己破産手続きでは、裁判所に申し立てをする際に、色々と必要な書類があります。
各地の裁判所によって微妙に異なっています。こちらは、神奈川県西部での自己破産を申し立てる場合の管轄裁判所である横浜地方裁判所小田原支部での必要書類一覧を案内します。
今回の内容は、
- 自己破産に必要な書類を知っておきたい
- 自己破産の必要書類を準備している
という人に役立つ内容です。
自己破産の必要書類の準備時期
必要書類については、申立前の打合せを行う時期にご準備ください。
住民票の写しなど役所で発行される書類は有効期限が3ヶ月となりますので、打合せの直前に、取得するようにしましょう。
あくまで必要なのは、裁判所への申立時ですので、初回相談などの時期にはここまでの書類は必要ありません。
財産に関する自己破産の必要資料一覧
自己破産では、支払不能にあることを示すため、財産に関する書類の提出が必要です。
預金通帳、取引明細
銀行預金口座の通帳や取引明細です。
使っていなくても、解約されていない口座の通帳は、すべてご準備ください。依頼した後に新しく開設した口座も含みます。
申立前の打合せの直前に最新記帳をしておいてください。
通帳は過去2年分の入出金明細がわかる状態での提出が必要です。
通帳が繰越になって2冊になっている場合には、古いものもご準備ください。合算記帳(何ヶ月か分の取引が一行になってしまう)になっている場合や、通帳を紛失されている場合には、金融機関にて入出金明細の取寄せをお願いします。
インターネットバンキングの場合、入出金明細をPDFファイルなどで印刷したものでも構いませんが、銀行名、支店名、口座番号が分かる画面の印刷も合わせてご準備ください。
PDFファイルの場合には、弁護士あてにメールしてもらえれば、事務所で印刷できます。
ファイルのダウンロードなどができないタイプのネットバンクの場合には、連絡して、明細を郵送してもらってください。イオン銀行などは郵送依頼をすると2週間程度で届きます。
●参考
預金口座の整理・解約
預金取引明細は、利用していない銀行でも必要になります。また、打ち合わせ後に申立が遅れたり、管財事件になったりした場合には、再度新しい取引明細が必要になります。印刷環境がない場合や、明細取得がやりにくいネット銀行、近くに支店やATMがない地方銀行の預金口座については、利用しないのであれば、弁護士と相談のうえ解約してしまうのも一つの方法です。
預金口座を解約・整理したうえでの破産申立も認められます。もちろん、過去の取引で必要なものは提出するので、明細を取得するなどしたうえで、今後の提出の必要性をなくすために口座を解約という方法です。
ご自分で管理できないほど複数の預金口座を持つ意味もないので、整理した方が家計管理等もやりやすいはずです。
保険証券・失効証明書
ご自身、及び家計を同一にしているご家族が契約されているすべての保険証券をお持ちください。
生命保険、医療保険、学資保険、自動車保険、損害保険、火災保険、ペット保険など、すべての保険です。
2年以内に解約した保険、または失効した保険がある場合には、解約証明書、もしくは、失効証明書をご準備ください。保険会社より取得できます。
保険の解約返戻金証明書
ご自身が契約している保険について、保険会社にもし保険を解約した場合に、いくらの返戻金が戻ってくるのか証明書を発行してもらってください。返戻金は、「へんれいきん」と読みます。
家計を同一にしているご家族が契約している保険については、解約返戻金の証明書は不要です。
資産としての価値を出すために返戻金の証明書を発行してもらうものですので、解約手続きは不要です。
返戻金がない場合は、ない事の証明を発行してもらうか、または、返戻金がないことがわかる約款などをご準備ください。
たとえば、保険証券に、解約返戻金がない保険という記載があれば、この証明書はなくても大丈夫です。
車検証・標識交付証明書・査定書
自動車や、原付バイク・250cc以下の排気量のバイクをお持ちでしたら、ご準備ください。写しで構いません。
また、初年度登録から6年以内の車等については、中古車販売店などから査定書を取得してください。ネットの一括見積などのサービスを利用して送られてきたメールでも構いません。ほとんどの車では、有料の査定までは不要で、無料の一括見積りで大丈夫です。
家計を同一しているご家族、及び、同居者が車をお持ちの場合にも車検証の写しはご準備ください。
また、ご自身の所有している自動車については、購入時期、及び購入価格を裁判所に報告しますので、おおよそでも構いませんので、分るようにしておいてください。
株式取引に関する資料
株式取引、FX取引、仮想通貨取引がある人は、証券会社等の取引明細を取得してください。
現在も財産として残っている場合には、現在の銘柄がわかる資料も準備が必要です。
会社経由で従業員持株制度を利用している場合には、それに関する資料(残高がわかるもの)をお持ちください。
不動産登記簿謄本
不動産をお持ちの人、過去2年以内に不動産を処分したことがある方、遺産分割未了だが相続財産として不動産が含まれる方は、法務局にて、該当の不動産について、不動産登記簿謄本(全部事項証明書)を取得してください。
土地と建物と両方が必要となります。
共同担保目録を付けて、取得するようお願い致します。
取得が難しければ、法律事務所にて取得することもできますので、お知らせください。
不動産査定書
不動産をお持ちの場合、ご自宅を売却した場合の査定書を2社分取得してください。簡易査定(机上査定)でも構いません。
ネットの一括見積、無料査定などのサービスを利用して送られてきたメールでも構いません。
固定資産評価証明書
不動産をお持ちの場合、市町村役場にて、最新年度分の固定資産評価証明書を取得してください。土地・建物ともに取得してください。
査定書と並び、不動産の評価額を確認するための一つの資料となりいます。
退職金見込額証明書
職場から、いま退職をしたと仮定した場合に、退職金額がいくらくらいになるのかの証明書を取得してください。
退職金制度がない場合は、ないことの証明、または退職金がないという旨が記載された雇用契約書や雇用条件通知書をお持ちください。
退職金見込額の証明書を発行できない場合は、退職金規約があれば退職金規約のコピー、規約もなければ口頭で当職にご報告ください。
退職金が確定拠出年金である場合には、それが分かる資料をご準備ください。
確定拠出年金の場合には、差押えが禁止されているので、財産にはカウントされません。
相続に関する資料
相続がある場合には、資料が必要になります。
ご自身から見て被相続人に当たる親族(父母,養父母,子,養子,兄弟姉妹,配偶者など)が他界している場合や、遺贈を受けたことがある場合には、その相続について報告をする必要があります。
亡くなられた方、もしくは遺言者の方の氏名、続柄、相続時期が分かるようにしておいてください。
また、遺産分割協議書、遺言書等の写し、相続放棄の場合は相続放棄申述受理通知書等の写しをご準備ください。
遺産分割未了の場合にも、同様に報告が必要です。相続財産の内容が負債の場合にも、報告します。
遺産分割が未了の相続財産がある場合には、法律で決められた法定相続分が、自己破産でも財産と扱われます。
収入・支出に関する自己破産の必要書類一覧
財産以外に、収入や支出に関する必要書類があります。
自己破産が認められる要件である「支払不能」かどうかの判断では、財産からの支払以外に、毎月の収支から余力があれば支払えると判断されるためです。
給与明細書
給料をもらっている場合には、給与明細の提出が必要です。
申立て前2ヶ月分の給与明細書を提出しますので、写しをご準備ください。
家計を同一にしているご家族のものも必要となります。
成人の同居家族で働いていない方については市役所で非課税証明書を取得してください。
源泉徴収票2年分
給料をもらっている場合、源泉徴収票を最新年度分と前年度分と2年分をご準備ください。
源泉徴収票がない場合には、市町村役場で市県民税課税証明書を取得してください。自営業者の人も同じです。
無職の方は、市町村役場で市県民税非課税証明書を取得してください。また、病気で働けない場合には、お薬手帳などその病気であることが推認できるものをご準備ください。
確定申告書2年分
自営業者や、副業収入がある人などは、確定申告書2年分を準備してください。
青色申告をしている場合の、青色申告決算書などの書類も一式、お持ちください。
年金など公的給付を明らかにする書類
ご自身、または家計を同一にするご家族で、年金、児童手当等の公的給付を受給している方がいる場合には、金額が分かる書類(葉書等)をご準備ください。
失業保険等も同じです。
生活保護受給証明
生活保護を受給している人は、市町村役場にて生活保護受給証明書を取得してください。
写しを裁判所へ提出します。
賃貸借契約書
賃貸物件にお住まいの方、駐車場を借りている方は賃貸借契約書の写しをご準備ください。
更新している場合には、最新のものが必要です。更新時に契約書を作成していない場合(法定更新)は、過去のものをお持ちいただき、打ち合わせ時にその旨をお知らせください。
賃貸借契約時に、住居総合保険などに入っている場合には、保険の資料として、保険証券や解約返戻金に関する資料が必要になります。
居住証明書
賃貸借契約書がない場合の書類です。
ご家族が所有していたり、借りている物件にお住まいの人は、現在お住まいの家を所有(契約)している方に、記入・押印をしていただいてください。居住証明書の書式は事務所からお渡しします。
不動産登記簿謄本
ご家族が所有している不動産にお住まいの場合、法務局にて、不動産登記簿謄本(全部事項証明書)を取得してください。土地と建物と両方が必要となります。
取得が難しければ、法律事務所にて取得することもできますので、お知らせください。
ご家族が所有していることと、居住証明書をあわせて提出することで、居住状況を示すことになります。
社宅証明書
住居が社宅の場合、社宅の使用許可書など、社宅に居住していることがわかる書類を提出します。
会社で発行が難しい場合には、報告書で足りることもありますので、お知らせください。
光熱費(電気、ガス、水道)・電話代支払明細
光熱費支払の資料が必要になります。
ご自分名義の預金口座からの引落になっておらず、コンビニ払いなどの現金払いになっている支払いがありましたら、支払った旨の領収書をご準備ください。申立書に写しを添付いたしますので、打合せの直近に支払ったものをご準備ください。
ご自身ではなく、ご家族が支払っている場合、ご家族が支払っている証明として、領収書、または通帳の写しを提出しますので、ご家族が支払っている場合もご準備をお願いします。
この資料は、家計状況の支出の説明だけではなく、「他に光熱費を払っている預金口座があるのでは?」との疑問を解消するためにも必要になります。
その他の自己破産での必要書類
財産、収入・支出を示す資料以外に、必要なものもあります。
戸籍謄本、住民票
世帯全員分のものが必要です。住民票写しは、続柄・本籍地・筆頭者が省略されていないものを取得してください。
ただし、マイナンバーは省略してください。
報告書
打ち合わせ時に作成する書類です。
事務所からお渡ししますので、過去の職歴・家計状況などを、わかる範囲内でご記入のうえ、申立前のお打ち合わせ時にお持ちください。
家計状況については、打ち合わせの前月分を作成してください。その際、預金通帳、給与明細、光熱費明細の数字を確認するようにしてください。
滞納税金に関する資料
滞納している税金などがありましたら、督促状や滞納税金一覧など詳細がわかる資料をご準備ください。
税金に関しては、もともと免責にされないものや、非免責債権とされているものとなります。
自己破産をして免責許可が出ても、支払義務は残りますが、支払不能の参考資料になりますし、債権者一覧表に記載するものもありますので、金額を示す飛鳥があります。
裁判や競売に関する資料
自己破産の申立前に、債権者から訴訟や競売の申立をされてしまった場合には、当職までご連絡いただき、訴状や競売開始決定の写しをご準備ください。
自己破産のご依頼後、受任通知を送ることで、督促は止まっていますが、債権者からの裁判を起こすことは禁じられていません。そのため、申立までに時間がかかったり、延滞期間が長い場合には、債権者から裁判を起こされることがあります。
裁判などを起こされている場合には、自己破産の申立時に事件番号などを伝えますので、資料が必要です。
また、時期によっては、差押えを回避するため、裁判対応が必要なこともあります。
自己破産のご相談は、以下のリンクよりお申し込みください。