裁判例
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先物・オプション取引が原因で免責不許可とされたケース
福岡高裁平成8年1月26日決定です。
証券会社の営業課長が、先物・オプション取引によって多額の債務を負った事案で、免責不許可とされてしまった裁判例です。
一審でも免責不許可とされ、不服だとして抗告を申し立てたことに対して、高裁が判断したものです。
免責不許可事由の一つに「射幸行為」があります。
先物・オプション取引の内容が、投機性が非常に強いものと認定し、「射幸行為」にあたると判断しました。
さらに、証券取引法上禁止されている不正な取引をしていたことなどもあり、事案が軽微とは到底いえないと認定されています。
負債額も3億円以上の金額とされています。
破産者は、自殺を図ったり、反省しているともされていますが、金額や取引内容があまりにもひどいことから、免責が不許可になり、裁量免責も認められなかったものと思われます。
ギャンブルや先物取引による借金でも裁量により免責が許可されるケースはありますが、金額が大きい場合には、不許可リスクが高くなってきます。