管財手続とは
FAQ(よくある質問)
Q.自己破産をする人の特徴は?5つのポイント。いくらから?期間?理由は?
自己破産の特徴自己破産をする人の特徴に関してデータを紹介します。
動画での解説はこちら。
日弁連が、自己破産・個人再生事件記録調査をしています。
その結果が日弁連サイトにもアップされているので、そこから特徴を探ります。
この調査は、神奈川県弁護士会など各弁護士会の消費者委員会などから、メンバーを出して、それぞれの管轄裁判所に行き、自己破産記録を実際に見て、どういう理由で自己破産したのか等を調査した結果です。
高等裁判所の管轄では、他よりも多めに件数を調査しているようですが、ほとんどの都道府県では、同じ件数を調査します。
全国の自己破産の件数などは裁判所が発表している司法統計で確認できます。
しかし、事件記録の中身など、司法統計には出てこない内容を確認できる点に価値があります。
また、この調査は、3年ごとに行われているので、傾向の変化を見るという意味でも参考になるものです。
実際の調査結果を確認したい人は日弁連ホームページで確認してみてください。
この全国的に件数を決めて調査しているという特徴から、人口が多い地域である東京や横浜の事件からすると、若干、
傾向が違うと感じる点があるかもしれません。ただ、神奈川でも、小田原のような支部地域だと、傾向は似てきますので、地方に住む人の自己破産では、参考にできるかと思います。
破産者の負債額
いくらくらいの借金で自己破産をしている人が多いのでしょうか。
今回の結果では、400万円くらいまでの借金で自己破産をしてる人が半分程度です。
数字としては、46%の人が400万円までの債務です。
負債額がどれくらいで自己破産をするかという話だと、平均値を見られることがあります。
しかし、平均というのは、あまりあてにならないです。
平均値でいうと、今回の調査報告では、自己破産者の負債額の平均値は1900万円くらいと出ています。
これは感覚からしても高すぎます。
破産をする人が多数いるなかで、事業の負債などで億単位で借金を負う人もいますので、そのような人が含まれると、平均値としては高額になります。
そのため、平均値よりも、分布を見て、400万円までの金額帯で自己破産をする人が半数くらいいると知っておくほうが有益でしょう。
自己破産の相談の中で、自分はこのくらいの金額の借金ですが、自己破産しても認められるのですか、という話がでます。
自己破産の要件というのは支払いが不能であるかどうかです。
借金の金額だけではなくて、財産とか収入とかのバランスを見て、支払ができるか不能かを評価するものです。
今回の結果で、低い金額帯で見ていくと、負債額100万円未満で破産している人も7.5%います。
100万円から200万円の負債での自己破産が約14パーセント
200万円から300万円の負債での自己破産が約12パーセント
300万円から400万円の負債での自己破産が約11パーセント
という分布で、全体の46%程度が400万円までの借金額で自己破産をしているという結果になっています。
自己破産をする人の債権者数は?
債権者数についても調査されています。
現在は6~7社あたりが平均値。
これぐらいの会社から借金をした人が自己破産をしていることが多いことがわかります。
自己破産をする人の収入は?
自己破産をする人の収入がどれくらいなのかについても調査されています。
今回の調査報告では、月収15万円未満の層が56.71%とされています。
男性よりも女性のほうが低い収入で破産をしている傾向です。
専業主婦の自己破産もあるので、このような傾向になっているのでしょう。
破産者全体の平均月収は12万7270円とのこと。
全体的な調査を見ると、月収30万円未満が、90%近くを占めている分布状況です。
事務所の取り扱い破産事件の実態としては、この数字は低い印象です。
月収30万円以上の人で破産をする人も多いです。
全国的な数値と神奈川県の数値が一番乖離しているところかもしれません。
自己破産までの期間は?
借金を始めてから、自己破産までの期間は、5年以上という人が約78パーセントです。
ただ、過去の調査記録からの推移を見ると、借り始めてから1年とか、2~4年で自己破産をする人も、最近は増えて来ています。
比較的、短い期間で自己破産を申し立てる人が増えてきているという話です。
全体としては、5年ぐらい返済を続けて、やはり払えなかったということで自己破産をする人が多いのですが、短い期間で申立をする人も増えてきているわけです。
債務額のところで、今までは少ない金額と言われていた金額帯での自己破産が増えていることもありました。
そうすると、短い期間で借金額が、そこまで膨らんでいなくても自己破産をしている人が増えてきているということが、 数字的には読み取れます。
今までは、長い間、頑張って払っていたものの、借金は自転車操業で膨らみ、自己破産をしていた人が、早い段階で見切りをつけて申立をしているのではないかと推測されます。
スマホの普及や、情報化社会が進み、自己破産という情報へのアクセス、受け入れやすさが変わってきているものと思われます。
自己破産で免責不許可になる確率は?
自己破産をするのならば、支払い義務をなくしてもらいたいはずです。
この免責許可が認められるかどうかという点は、一番大事なところです。
この免責許可について、今回のデータで見ていくと
0.57%が不許可になっています。
200人に1人程度の割合です。
この数字を多いと見るか、少ないと見るかというところですが、過去の調査結果からの推移をみると、不許可率がかなり上がってきているという内容です。
なお、96%以上が免責について許可されています。
許可と不許可の合計が100%にならないのは、取下げている人もいるからです。
不許可になりそうだから取り下げているという方もいると思われます。
そうすると、0.57%~3,4%が実質的に不許可ともいえます。
これは、ちょっと高い割合だと感じます。
自己破産をした理由は?
自己破産をする理由は、どのようなものなのでしょうか。
今回の調査結果では、複数の選択肢にあてはまることがあります。
自己破産を申し立てる際に、原因が一つということはあまりなく、複数の要素が絡んで、借金が増えてしまいます。
そのため、複数の項目が選択されるという前提です。
まず、一番多い理由は、生活苦と低所得。これを理由にしている人は、61パーセント以上です。
次に、病気とか医療費を理由とする人が22パーセント以上。
さらに、失業・転職が16パーセント。
教育資金が約7パーセント。
住宅購入費用が10パーセントなどです。
複数選択が前提なので、全部を足しても100パーセントにはなりません。
そして、ここで増加傾向にあるといわれるのがギャンブル、浪費。
ギャンブルや浪費の自己破産は?
ギャンブルは全体の4.9パーセント。
5パーセント近くの人がギャンブルに該当するということです。
20人に1人。
数字としては多いという印象です。
次に、浪費・遊興費が、9.2パーセント。
こちらも、過去の調査結果からすると、増加傾向。
つまり、ギャンブルや浪費で借金をてしまって、これにより自己破産をしている人が増えてきてしまっているのが現状です。
そして、このギャンブル・浪費が多いことと、免責不許可が数字として目立ってきているということは、関連しているでしょう。
ギャンブルや浪費という不許可事由があっても、裁判官の裁量によって免責が許可されることは多いです。
しかし、それも程度問題なので、ひどい事例で不許可が出ている可能性が高いです。
ジン法律事務所弁護士法人で受けている借金相談でも、ギャンブルが入っていることは非常に多いです。
ギャンブルは、運営側が儲かる仕組みになっていて、人間の脳波をコントロールして、お金を使わせる仕組みです。
ドーパミンをうまく出して、抜け出しにくい構造にはなっていますので、まずは、その仕組みに気づくことが、抜け出せる一歩となるでしょう。
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