よくある質問
FAQ(よくある質問)
Q.教育費を理由に自己破産はできますか?
教育費を理由とする自己破産も多いです。
必要以上に習い事をさせているような場合、浪費といわれる可能性も理論的にはありますが、裁判所で指摘されることは多くありません。
よほどのことがない限り、自己破産も認められます。
教育費破綻の家庭が増加
多額の教育費を理由にする自己破産や個人再生の申し立ては目立ってきています。
教育費破綻の家庭が多いです。
2019年の5月10日に大学等修学支援法が成立して、大学の無償化みたいな報道がされましたが、これは低所得者層。
住民税非課税世帯等に関しては、無償化といっても良い内容かもしれませんが、中間層以上の世帯には恩恵はなく、教育費の負担はまだまだ重いです。
教育費を理由とする自己破産や個人再生手続きの相談は、非常に多いです。
今もまさに教育費に苦しんでる家庭も多いでしょう。
教育費に関しては、子どもがまだ小さい段階でどういう感じに進めていくのかを考えておかないと借金せざるを得なくなる事態になります。
もちろん、子供が小さい頃に進路を決めるなんて難しいという実態もあるのですが、ある程度の金額は押さえておき、どういう選択肢があるのか伝えておかないと家族の誰か、または全員が不幸になってしまうこともあります。
最終的に親が自己破産をするとか、 個人再生で借金を減らして自宅だけは守るという、教育費で破綻してしまう家庭は当分は増えていくと予想しています。
教育費の金額は?
2016年の本で、『教育費破産』(安田賢治著)という本があります。
教育費の金額が書かれています。
数字的に今もそれほど変わらないだろうと思い、紹介していきます。
本の帯には、中高私立と塾通いで、1人3000万円と書かれています。
大学の学費
まず国立大でいうと初年度でかかる費用が80万円強。
私立文系の場合には初年度にかかる費用が、120~130万円とのこと。
理系になってくるとプラスアルファ。
もちろん医学部・薬学部だと大幅にアップします。
仕送り
下宿をすると、やっぱりお金がかかります。
実家からか通うか、家を出るかによって、教育費の負担は大きく変わります。
最近は、地方で優秀な子でも、近くの大学に行く人が増えたという話も。
1都3県の下宿生では、4年間で 約405万円、私立文系の場合の学費を合わせると、4年間で、約840万円という数字が紹介されています。
これが理系だと1000万円程度になる、医学部・薬学部はさらに、という数字です。
逆に仕送りがない自宅生の場合には、文系で500万円、理系で672万円という数字が出ています。
大学での費用がこれくらいです。
では、それ以前にかかる費用はどうでしょうか。
私立中学、高校など
中高一貫の私立に入れると、それなりに学費がかかります。
学校によって変わってくるものの、6年で平均500万円という数字が出ています。
ここに大学受験の際の塾が加算される可能性が高いですね。
中学受験を考えているご家庭は、これくらいの支出を予定しておかねばなりません。
奨学金でフォロー?
日本の教育費負担は、先進国の中では一番多いという話もされています。
ここで出てくるのが奨学金制度。
奨学金の2015年のデータだと、2.6人に1人が利用しているそう。
こちらの返済でも苦しむ若者は多いです。
借金相談を受けていると、親が教育費破産をするか、子が奨学金破産をするかしかないのではないかと感じたりもします。
最悪の場合は、両方ということも・・・
『「奨学金」地獄』という本では、高校生の時に奨学金の支払いの深刻さを教えてもらっていたら、そもそも大学に行かなかったかもしれないという子供の声が紹介されています。
奨学金を受けるなら機関保証にしておくことが勧められています。
『東京貧困女子。』という本の中には、学費のために風俗で働く女子大生が多いという話がされていますが、さらに、学費目的で借りた奨学金の一部を親が使い込む事例も紹介されています。
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奨学金返済のための風俗斡旋サイトまであるそうです。
学費等を支払うためにバイトに時間を取られて学ぶ時間が減る大学生も多いとか。
ブラックバイトに引っかかってしまって留年という話も。
最近は、大学の授業も厳しくなっているので、バイト片手間では進級も難しくなることが多いそうです。
だからといって、就職がうまくいくとは限らない。
また、就職できても、大企業の将来がどうなっているか微妙。
現在、大学への進学率は上がっている、入りやすいという状況にはあるそう。
そうすると、みんなが行くならば、そもそ大学に行く意味ってあるのかと、考え直す発想が必要かもしれません。
稀少性という視点からの話ですね。
学資保険でフォロー?
これだけ教育費がかかる人が多いので、学資保険を使う人もいます。
保険を使って強制的に貯金するようなイメージですね。
自分で管理できない人には便利な商品ですが、利回りを調べると、それほど有利な話ではないと感じたことがあります。
通常の学資保険は、親の財産になるので、子供が成長する過程で、自己破産をする場合には処分対象になります。
また、離婚という事態になれば、財産分与の対象になります。
必ずしも子に行くとは限りません。
まとめ
以上を前提にして、子が大学進学を希望し、親が叶えてあげたいと考える場合、教育費負担を減らすには、
自宅通い、国公立が費用は抑えられるパターンになります。
親としては、全体の予算感を早めに伝えたうえで、効率的な勉強法を教えてあげるのが良いのではないでしょうか。
有益な情報は、目標を達成するまでの時間を短縮させられ、その分、金銭的な負担を減らす効果があります。
すでに手遅れであり、多重債務を負ってしまったという方、教育費破綻、奨学金破産等のご相談は、事務所までご連絡ください。