自己破産の弁護士費用
FAQ(よくある質問)
Q.自己破産の弁護士費用はいくらかかりますか?
自己破産の弁護士費用については、基本的には法律事務所によって自由化されています。
そのため、事務所によって違う費用体系が採用されているものなのです。
多くの弁護士は着手金・報酬形式
ただ、多くの法律事務所では、ほとんどの事件で、着手金、報酬形式をとっています。
着手金とは、最初にかかる費用で、弁護士が事件処理に着手するための費用です。
結果が出なくても返金されない性質のものです。
報酬とは、成功報酬と呼ばれるもので、結果が出たときに発生するものです。
自己破産の手続きでは、免責の許可が出たことによって成功報酬が発生するのが通常です。
自己破産の実費の費用
着手金と報酬以外に、実費などの費用がかかります。
これは、弁護士に頼まずに自分で手続きを進めても、かかる費用となります。
実費には、裁判所に自己破産申し立て書類を提出する際に、貼らなければならない収入印紙代や、収めなければならない切手類、官報掲載予納金、裁判所への交通費等が含まれています。
官報予納金は自己破産実費に含まれている
官報予納金は、自己破産手続きでは、官報に掲載するので、その費用がかかるというものです。
同時廃止手続きと管財手続きで、この費用も変わっています。
2021年5月の時点で、同時廃止手続きの場合には11859円、管財手続きの場合には15499円弱の費用を裁判所に払います。
以前に、自己破産者をターゲットに、官報予納金の架空請求がされる事件がありました。破産者の情報を集めて、自己破産を終了させるには官報予納金が必要であるとの通知がされた事件です。この官報予納金は、弁護士に払い、弁護士が裁判所に納付して、そこから手続が進むものです。
別途直接請求される事はありませんのでご注意ください。
自己破産の費用相場は手続で変わる
個人の場合の自己破産の費用の相場や平均額を知りたいという声も多いです。
費用は法律事務所によって異なるほか、自己破産手続きでは、同時廃止手続きという簡単な手続きと、破産管財人を選任する破産管財手続きの2種類があります。
この2種類で、費用体系を変えているところも多いです。
なぜなら、管財手続きの場合には、破産管財人との面談や、債権者集会への出席、場合によっては事件処理が長引くということもあり、弁護士側の負担も大きくなるためです。
また、個人の自己破産でも、個人事業主の自己破産では、費用体系を変えている事務所も多いです。
個人事業主の場合には、管財事件になりやすいほか、財産調査、事情説明の負担が増えるからでしょう。
また、ジン法律事務所弁護士法人が、破産管財人として取り扱った事件のなかで、申立代理人が、個人事業主の自己破産手続きで、出張日当等を請求していたケースもあります。
裁判所や、裁判所会の場所に行く際に、日当が発生するという契約内容です。
このように、手続や属性によって、自己破産の費用相場は変わってきます。
2回目の自己破産の費用
また、2回目の自己破産であるとか、裁量免責を狙った自己破産の場合に、費用体系が異なることもあり得ます。
最近では、2回目の自己破産手続きでは管財手続きになりやすいことや、過去の破産、免責決定の時期等の調査、以前との内容の違いなどを説明しなければならず、1回目の自己破産よりは負担が増えるからです。
自己破産の費用相場、平均額
自己破産の費用相場としては、感覚的には、着手金が税込みで22万円、成功報酬が税込みで22万円という金額が以前に多くの事務所で採用されていた報酬体系といえます。
神奈川県内の法律相談センター等でも、この辺の金額が契約書の書式に記載されていたことがあります。
その後、報酬の自由化により、若干の価格競争が起こっており、ここから多少安い金額帯が、費用の安い事務所であるといえるでしょう。
実費については3万円前後のことが通常です。
相続関係で戸籍調査が入ったり、不動産登記情報の取得が多数だと、そのあたりの費用が加算されることも多いでしょう。
なお、2021年5月時点で、消費税について総額表示ができていない法律事務所は情報感度が低い危険性があると評価できます。ホームページで、20万円など、キリのいい数字になっている場合には、相談前に確認した方がよいかもしれません。
アディーレ法律事務所の自己破産費用
費用相場ということで、業界大手の自己破産費用をチェックしてみました。
過払金や、自己破産手続きを多く取り扱っていると思われる大手のアディーレ法律事務所のホームページに費用が記載されています。
2021年5月時点で、同時廃止手続きでは、基本費用が36万3000円、申し立て費用が、3万3000円と案内されています。
管財手続の場合には、基本費用が43万7800円、管財人費用を除く申立費用が33000円と案内されています。
ただし、面談時に指定した資料の提出に3ヶ月を超える期間を要した場合には、別途事務手数料として上限5万5000を申し受けることがありますとの注意が書かれています。
短期間に、資料を準備できないと費用が加算してしまうという内容のようです。
管財手続の場合には、上記で案内した着手金22万円、報酬22万円の合計額より若干下げているという数字、同時廃止手続きの場合にはそこから数万円下げているという印象です。
ジン法律事務所弁護士法人での自己破産料金表
着手金・報酬形式を採用しています。
同時廃止の場合、着手金が21万7800円(税抜19万8000円)、報酬が11万円(税込)、実費が3万~3万5000円程度です。
免責不許可事由や過去の破産歴があるなどの場合には、加算されるので、それほど変わらなくなります。
管財手続の場合、報酬が22万円(税込)になるので、同じ金額帯になります。
そのほかに、特約をつけると加算があります。
詳しくは、
をご確認ください。
管財手続の予納金
破産管財人がつくという破産管財手続きでは、破産管財人の報酬や活動費用として、20万円程度の負担が別途かかります。
これは実費としてかかってくるので、弁護士費用とは別に発生してしまいます。
管財手続きになるかどうかというのは、財産状況や、ギャンブル、浪費、2回目の自己破産など、免責不許可事由があるかどうかによって変わってきます。
簡単な同時廃止手続きで申し立てをしても、裁判所の判断で破産管財手続きとされることもあり得ます。
そのため、最後までの手続きでいくらかかるかというのが、裁判所に申し立てをしてみないとわからないという事件も少なくないのです。
最後までの費用が、依頼時にわからないこともあるのです。
自己破産の費用の分割払い
自己破産の費用については、多くの法律事務所で、分割払いが採用されていると思います。
ただ、その場合の分割の回数なども、事務所によって異なると思うので個別に調べるほかありません。
申立費用が足りないと、自己破産の申し立てができないので、裁判所への申し立てまで時間がかかってしまうことになります。
そうすると、裁判所では、自己破産の申し立てまで時間がかかった理由について別途説明を求められることも多く、長期間の分割払いというのはなかなか難しいところもあります。
とはいえ、自己破産の費用の支払い中は、通常は受任通知によって督促が止まっているはずです。
返済も借り入れもストップした上で、自己破産の準備をすることになります。
通常は、そこで、申し立てのための弁護士費用等分割払いしていくということになります。
自己破産では裁判所に対しては、家計の収支を出すことになります。
収入から、どのような支出しているのかを示すことになります。
その家計の収支関係で、あまりにも、余力がないという場合には、そもそも家計収支を見直す必要が出てきます。
明らかに、収入が少ないようなケース、極端にいえば生活保護などでは、法テラスを利用することになります。
保険の解約返戻金等で自己破産の費用を負担
自己破産の費用については、収入から分割で支払っている方が多いのですが、財産から支払うこともあります。
例えば、保険の解約返戻金から、自己破産の弁護士費用を払う方法です。
自己破産の手続きでは、財産は処分されることになります。
一定金額以上の保険解約返戻金がある場合には、そちらの保険解約返戻金は、破産管財人によって、回収され、債権者に対して分配されることになります。神奈川では、トータル20万円が基準になります。
いずれ、解約されてしまうので、自己破産の申し立て前に、解約をして、自己破産の申し立て費用という必要経費に充てる考えです。そのうえで、速やかに自己破産の申立をして、残額を破産管財人に引き継ぐ方法です。
申し立て費用については、どうしても必要なものなので、このような財産から支払うことも認められています。
それ以上に、この残った金額を勝手に使ったりしてしまう、後に大問題になってしまいます。
自己破産の依頼は、財産処分も制限がかけられますのでご注意ください。
自己破産の無料相談と弁護士費用
自己破産の相談費用自体はかからないところが多いかと思います。
それでも、弁護士が依頼を受けて活動するためには、弁護士費用が発生してしまうことになります。
自己破産の手続き費用のほかに、弁護士費用というものはかかってくるものです。
自己破産費用の滞納と辞任
自己破産の費用を滞納してしまうと、弁護士との委任契約が約束どおり履行されていないということで、委任契約が解除され、辞任されてしまうこともあります。
特に、費用の支払いをせず、かつ、連絡が取れていないようなケースだと、弁護士も辞任するしかないことも多いです。
そのように、他の事務所で辞任されたとの相談も多いです。
他の事務所での辞任後に、ジン法律事務所弁護士法人でまたイチから自己破産の申し立て準備をすることもあり得ます。
この場合も、通常通り費用はかかってしまいます。
弁護士費用を滞納してしまうようなケースでは、個別に法律事務所に連絡をして、状況説明をするなどして、一定期間待ってもらうとか、家計の改善の相談をするなど手続きが必要かと思われます。
費用が多少遅れたくらいで、辞任する弁護士は少数派ではあるかと思いますが、連絡が取れないということになると辞任されやすくなってしまうので、連絡自体は誠実にしておいた方が良いかと思います。
受任通知によって、債権者からみなさまへの督促は止まっていますが、その分、弁護士事務所に問い合わせ、状況確認が増えるのです。連絡が取れないとなると、債権者への説明もできなくなってしまうことから、辞任につながりやすくなってしまうのです。
法人の自己破産相場
法人の自己破産費用については、個人の自己破産費用とは異なり、相場観が形成されておらず、事務所によって大きく異なるのが実情です。
数十万円から数百万円で差があることがあります。
法人の規模や、負債総額、債権者数、活動内容によって個別に見積もりを出している事務所が多いと思われます。
そもそも、管財予納金についても管財人の業務次第では、20万円では足りないことも多いので、全体の費用見積もりは、相談時にもはっきりとわからないことも多いです。
法人の破産時には、会社経営だけで大変な状況ですが、そういうときこそ、複数の事務所で費用確認した方が経済的には良いことが多いです。
自己破産費用の後払い
自己破産の費用については、着手金や、報酬形式の場合に、着手金分の後払いというものは認められないことがほとんどです。
着手金は着手時点で発生するものだからです。
ただし、着手金を分割払いする場合には、初回の入金時とか、実費の入金だけで、受任通知を送り、そこから返済は止まることが通常です。
そのため、返済が止まった後に、着手金を払っていくということが多いかと思います。
自己破産の申立は済んでいないものの、返済が止まっているという意味では後払いに近い感覚かもしれません。
多重債務事件の費用負担については、柔軟な対応ができますので、遠慮なくご相談ください。