自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介94 Yさんの事例
30代 / 男性 / 会社員
借入の理由:親の離婚、医療費
厚木市にお住まいの30代男性のケースです。
銀行、消費者金融を中心に、約270万円の借金があり、生活環境からして支払うことが難しいとの相談でした。
親の離婚による支出増
借り入れ当時、アルバイトにより月収は平均すれば16万円程度でした。
当時、両親と同居していたところ、両親が離婚をし、父が家を出て行くことに。
家計から父の収入が急になくなったため、生活費が不足することとなります。
母はほとんど仕事ができておらず、自身の収入も不安定で、生活費が足りなくなったためアコムから借入れをして生活費にあてるなどしました。
離婚による家計収入の減少が借り入れ理由になることは多いです。特に、離婚当事者の女性は、そのような傾向があります。そもそも、結婚制度は、通常、共同生活により家計支出を下げる効果があるので、これを解消すれば支出が増えるのは当たり前です。まして、配偶者の収入に頼っていた生活の場合には、この解消により相当の収入増がないと、生活が厳しくなります。
今回は離婚当事者ではなく、親の離婚という事情ですが、予期しない事情で借り入れを開始することとなってしまいました。
医療費
生活を立て直すため、アルバイトから、転職をして正社員として稼働。
収入が上がりました。
これで返済ができるかと思いきや、母が入院をすることになりました。
母の収入がないほか、医療費もかかり、生活が苦しくなりました。
ここで、それまで借りていた家の賃貸借契約の更新の時期が来たのですが、更新料も払えず、家賃も高いため引っ越し。引越し費用がなかったために、プロミス(SMBC)などから借りて、これに充てました。
家族の医療費というのも、借り入れ理由の上位にある支出です。
高齢の親と同居している場合には、このような支出により借金生活となってしまうことも少なくありません。
離婚などで家族の人数が減った場合、固定費である家賃を減らすために転居するのは有効です。
更新料発生時期に転居というのも悪くない選択ですが、余裕がない生活だったため、引越し費用の貯蓄もないという状態で借り入れが増えてしまっています。
おまとめローン
複数の消費者金融からの借り入れ。
通常、利息が高いです。ここでなんとかしようと調べると、選択肢として出てくるのがおまとめローンです。
借金をまとめられれば、返済がラクになるという発想です。このタイミングで、専門家を入れた任意整理を進める人も出てきます。ただ、任意整理では、信用情報に影響が出ると考え、将来の住宅ローン、車のローンなどの際に選択肢を残しておくため、おまとめローンを選択する人も多いのです。
今回のケースでも、返済自体は苦しいながらも続けていましたが、利息が高かったために、銀行で借金をまとめてもらいました。
借金をまとめたので、それだけ返済を続ければ良かったのですが、母個人にも借金があることが判明。
仕事を始めた母のパート収入が全て母の借金の返済にまわってしまいます。
生活費を全て相談者が負担。
銀行のおまとめローン返済があったため、生活には余裕がなく、完済したアコムやプロミスから再度借入をしてしまいました。その後は、借りては返済を繰り返す状態になってしまいました。
これがおまとめローンの欠点です。
おまとめローン自体は、利率が下がるのであれば、返済スピードは上がります。また、信用情報にも影響は少ないです。
ただ、完済業者から再度借りられてしまう。これが欠点にもなります。
誘惑に弱い人は、手元にカードがあれば、再度借りてしまいます。
これで、借金は、以前の2倍に。こういう人が少なくないため、おまとめローンは自制心の強い人、そのタイミングで家計に相当の改善ができる人でなければ進めにくいのが実情です。
おまとめローンと過払い金
おまとめローンを使って完済し、再度借り入れをしていない債権者がある場合もあります。
完済後、再開していない業者です。
このような場合、取引時期によって過払い金の調査が必要です。
以前に、利息制限法の所定利率を超える利息支払いがあったのであれば、完済業者には過払い金があります。
これは自己破産手続きで財産となるので、調査が必要です。
場合によっては過払い金回収後の申立となったり、管財人を選任して管財人によって回収をしてもらう手続きになってしまいます。
そのため、おまとめローン利用がある場合には、どの業者をまとめたのか情報が必要になりますので、ご注意ください。借金が残っている会社については、すべての取引履歴をまとめて調査できるので問題ないのですが、完済業者は情報をもらえないと自動的に調査できるものではないのでご注意ください。
今回も、このような調査を完済した消費者金融に行い、取引履歴を確認したところ、すべて利息制限法範囲内での取引だったため、現在は債務過払い共にありませんという報告書を提出しています。
本件では、特に問題もなかったことから、免責許可が出されています。
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