自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介86 Fさんの事例
50代 / 男性 / 会社員
借入の理由:転職による収入減
秦野市にお住まいの50代男性のケースです。
楽天銀行やスルガ銀行といった銀行系、自動車系列の信販会社など8社に対し、負債総額1000万円の借金があり、支払ができないとの相談でした。
税金滞納
以前に自営業として働いていました。その時期に、所得税滞納や市県民税滞納があり、督促、差押えを受けるなどされました。
当時、経理を妻に任せていたところ、支払ができていなかったため、滞納になってしまっていたとのことです。
自営業の場合、納税資金を確保しておかないと、税金滞納に陥りやすいです。
会社員の場合には、これを避けるため給料から源泉という仕組みが作られているのです。
差押解除のための借り入れ
銀行のカードローンで借入をしました。
税金の差し押さえを受けてしまい、差し押さえを解除してもらうために使ったものでした。
さらに、別の市役所の差し押さえがあり、分割払いの話をしたのですが、滞納額も高額で、毎月20万円ずつ払うよう言われ、収入だけ支払うのは厳しく、別の銀行から借入をしました。
自営業から会社員に就職し、給料が月額50万円程度になったことから、ローンの返済もできるようになっていました。
知人への貸付
しかし、ここで、家計の資金繰りを悪化させる事態が発生します。
知人からお金を貸してほしいと頼まれ、毎月、相当額を貸してしまうようになりました。
元は妻の友人だったのですが、頼まれ、お金を貸すようになったものでした。
滞納税金等があり、余裕がなかった時期ですが、妻も相談者もそのようなことを外には言えず、ある程度の収入があったので、一度に数万円から20万円を貸すようになりました。
知人からは、家賃支払いまでのお金が足りないので一時的に貸してほしい、子供の学費支払ができない、などの理由で貸してほしいと言われ、その都度、送金していました。
このような支出があったため、借金を減らすことはできませんでした。
車の購入
ここで、車の買い替え時期が来ました。
以前の車のローンも残っていたのですが、営業マンからの勧誘を受け、買い換えることに。
以前のローンよりも、月額1万5000円程度の増額となりました。
車系列のカードを作り、マフラーを交換したり、エアロパーツをつけるなどの費用支出もしてしまいます。
車購入という大きな支出をすると、その関連費用が小さくみえるといいます。
普段であれば、2,3万円の支出は大きいのに、200万円の車を購入した際には、小さな支出に見えてしまう効果です。
自宅の購入などの場合にも、同じように高額支出をしてしまいがちです。
別居費用
税金の滞納問題などもあり、家庭内別居状態だったところ、夫婦仲はさらに悪化、別居となりました。
家賃負担が二重に発生し、生活費が余計にかかる生活になりました。
本来は、婚姻費用程度の支出におさえるべきところ、別居に至る経緯や、子のこともあり、このような二重負担を継続したという経緯でした。
当然ながら、別居の際の初期費用もかかり、借り入れで補うこととなりました。
おまとめローン
銀行の目的別ローンで一括借入して、借金をまとめようとしました。
これにより、一部の債権者を完済したのですが、結局、その後に再度借りてしまい、全体の借金は増えてしまっただけとなりました。
おまとめローンでありがちな結果です。
おまとめローンは、借入先を減らせたり、内容によっては利率が下がるので、良いように思えるのですが、完済した業者から勧誘を受けたり、手元にクレジットカードがあると誘惑に負けて使ってしまうことも多いです。
このパターンで借金が倍増するという事態は、非常によくみかける話です。
転職による収入減
このような生活だったものの、月収50~60万円だったので、いずれ返済はできると考えていました。
全体の借金は増えるものの、毎月の収支はなんとかなっている状態だと認識していました。
しかし、その職場で人間関係の問題が発生。退職となりました。
年齢的にも、業界的にも、以前の収入のような仕事は見つからず、収入が減ってしまいました。
二重の家賃支払など、支出を切り詰めるものの、カーローン業者からの請求が一括で来たので、返済できなくなってしまいました。
資金繰りが難しくなり、さらに、税金の差押えなどもあり、自己破産するしかないとの相談でした。
貸付金の回収不能
知人への貸付金ですが、数年前に数万円が返済されただけでした。
交付した金額からすれば、相当額の残高があることになります。
これは財産となり、本来であれば、破産管財人による回収を検討する事案です。
もっとも、貸付からかなりの期間が経過しているなどの事情がありました。
このような場合に、回収可能性があるのか疑問が残りました。
このような継続的な金銭貸付をしている場合、回収不能には、2つのパターンが考えられます。
一つは詐欺的なもの、相手が逃げている、連絡取れず、というパターン。
もう一つは、通常の貸付であるものの、相手が無資力で回収不能というパターン。
今回、弁護士から借主に対して、連絡をしたところ、連絡自体はつきました。
貸付時、借用書などの書類の作成はされておらず、利息、返済期日の指定合意もありませんでした。
貸付自体を争われると微妙な事案です。また、現在、相手は債務整理中であり、収支を聞くかぎり、生活保護に近いような生活水準でした。
裁判所に対してこれを疎明し、回収不能として、管財手続にはせず、同時廃止による解決となりました。
車や別居に関する支出が浪費の可能性もありましたが、当時の収入水準が高かったことから、裁量免責の許可が出ています。
主な支払不能の原因は、転職による収入減と認定された事例でした。
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