自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介67 Mさんの事例
80代 / 男性 / 無職
借入の理由:事業資金
小田原市にお住まいの80代男性のケースです。
信用金庫や信販会社に約800万円の借金があり、体調も悪く支払いができないとの相談でした。
会社の経営悪化
相談者は、不動産会社経営をしていたところ、売り上げが減り始め、十分な生活費が確保できなくなりました。
そのため、クレジットカードで買い物をしたり、キャッシングをするようになりました。このころは、手取りで多くて20万円くらいの収入しかありませんでした。
事業がうまくいかずに生活費補填が借入の理由でした。
年金担保融資
また、年金については、支給が始まっていましたが、すぐに年金担保貸付を受けたため、年金の支給額が半分(=2ヶ月で15万円)になっていました。
年金担保融資については、違法業者も過去には多くいましたが、今回は、合法の担保融資でした。
このような点から、収入が不足しているのでした。
震災不況
東日本大震災の発生により、不動産がまったく売れなくなり、不動産会社の経営は立ち行かなくなりました。
さらに、同時期、前立腺癌、肺がんなど相次いで患い、仕事ができなくもなりました。
家族もおらず、生活費を確保するため借り入れをしました。
それでも、会社の売り上げを伸ばそうと、広告(1回30万円ほど)を出そうと考え、その費用を個人で借りて法人に貸し付けるなどしました。
しかし、売り上げが回復せず、営業の継続を断念して、事実上、廃業しました。
がんの発症
そこから、さらに、胃がんも発症。
これから仕事につくなど、収入を増やすのは難しい状態でした。
債務の返済は不可能だと考え、相談に来ました。
法人の状態
法人の株主、代表取締役が自己破産をするには、通常は、法人の破産申立を合わせてします。
そのうえで、破産管財人が選任される扱いになります。
単独で申立をしても、法人側に資産を移転していないか調査する必要があるため、通常は、管財手続きに回されます。
今回、会社について、宅建の資格を持っていたので、それを生かそうとして設立したものであること、過去の売上が、ピーク時に3000万円ほど、廃業前は、500万円程度しかなかったこと、廃業から長期間、法人としての活動がないこと、法人の資産も、預金が数十円あるだけで、動きもないこと、売掛金もないこと、事業も仲介専門で、在庫の不動産など財産もないこと、什器備品は全て処分され、本社事務所もないことなどを示しました。
管財予納金の準備も難しい経済状態であったことから、法人の申立を保留、本人のみの申立で、管財人を選任せず、同時廃止手続きにより免責が許可されました。
申立人の年齢や健康状態が重視されたものといえます。
FXによる支出
なお、免責不許可事由として、FXの利用がありました。
この年令でFXに手を出すのにも驚きます。
生活苦で、少しでも生活の足しに出来たらと思ったら、ということで手を出しました。
ただ、原資は最大でも5万円で、自分の収入から出していました。FXの原資にするための借入れはありませんでした。
FXの取引を提出し、勝ち負けはほぼトントンくらいで、大きく勝ちも負けもしていませんでした。
取引期間が短いこと、投資金額が少額であること、FXによって負債が増加した訳ではないことから、仮に免責に不許可事由に該当するとしても、裁量免責が相当と意見を提出し、免責が許可されています。
このように法人申立を保留にしたうえでの自己破産希望も多いです。ご相談は無料で受け付けています。
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