自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介52 Hさんの事例
40代 / 男性 / 無職
借入の理由:うつ病、失職
川崎市にお住まいの40代男性のケースです。
クレディセゾン、セディナ、JCB、オリエントコーポレーションなど信販会社のクレジットカードを中心に6社に約400万円の借金があるところ、現在は無職により支払いができないとの相談でした。
転職時にカード利用
相談者は、過去の転職時に現金がありませんでした。
転職したばかりで現金がなく、仕事中の食事などのため、それまで持っていたセゾンのカードでキャッシングをしました。
このような一時的な資金不足のため、カードを利用するということは多くあります。
その後に、収入が得られるなど、返済見込みがあるのであれば、借金の理由としては正当なものとなるでしょう。
実際に、このキャッシングについては、その後の給料から返済ができていました。
その後も、一時的にお金が足りなくなったときには、再度、キャッシングをするようなことを繰り返していたものの、返済は継続できていました。
うつ病の発症
しかし、その後、うつ病を発症。
数年後には、統合失調症の診断も受けます。
障害者手帳も交付。
仕事を続けていると、不安定になることもあり、同じ仕事を長く続けられない状況にありました。
就職活動が厳しくなり、仕事に就けない期間が増えたことから、それまでの借入先以外でも借入れをするようになり、少しずつ借金が増えていきました。
多重債務者の相談を受けていると、メンタルを病んでしまう人も多いです。
そのなかでも、ここまで来ると重い症状といえます。
実家ぐらしだったが?
相談者は、実家ぐらしであったため、家族の協力を受けられたのではないか?借入理由が不自然ではないかという疑問もありました。
しかし、精神的な症状の場合、家族が協力してくれるかどうかは、ケースバイケースです。
この相談者も、実家で生活をしているものの、食費は自己負担。
病気の治療についても協力してもらえませんでした。
住居費はかからないものの、その他の生活費は捻出する必要がありました。
このような理由で、住民票も世帯を別にしていました。
親子の関わりでは、このようなことも多いです。
自己破産をするうえでの債務に関しては、個人単位で考えるのが原則ですので、このような家族状況の場合でも、破産は認められます。
預金口座の調査
自己破産の申立時には、解約されていない預金口座については、過去2年分の通帳や入出金明細が必要です。
通帳にまとめて記載されてしまったり、通帳を紛失しているような場合には、銀行の窓口などで明細を取得する必要があるのです。
この明細で、漏れている財産、債務の調査をしたり、借入経緯の説明との整合性などを確認することになります。
そのため、複数の預金口座を利用していればいるほど、調査、打ち合わせには時間がかかります。
この相談者は、10件の預金口座を持っていたため、その調査、説明に時間がかかりました。
また、開設したものの、全く利用していない口座などもあったため、裁判所からは解説の動機を確認されるなど、フォローが必要な点もありました。
病気の症状の影響もあったと思いますが、このように多数の預金口座を開設している場合には、注意が必要です。
裁判官面接
川崎市にお住まいの方は、横浜地方裁判所川崎支部への申立となります。
ここでは、裁判官面接があります。
破産審尋ということで、破産の決定が出る前に面接が入り、事情を説明することになります。
今回も、自己破産の申立をしてから、約1ヶ月後に面接の期日が入っています。
病気の点も説明していたことから、面接についても配慮された形で行われました。
無事に、免責許可が出ています。
依頼から申立まで約4ヶ月、申立から審尋まで1ヶ月、審尋から免責許可まで約3ヶ月というスケジュールで進みました。
精神的な病気が借金の原因になっている場合に、お金の使い方など、どの程度の影響があったのか、症状の変化も具体的に説明できると有効です。
現在も完治していない場合には、なかなかご本人から聞き取りにくい部分はあるのですが、ときには、診断書やカルテの確認まで必要なケースもないわけではありません。
川崎市にお住まいで自己破産を検討している方、自己破産に関するご相談は無料で受け付けています。
横浜駅前事務所でのご相談も可能ですので、以下のボタンよりお申し込みください。