管財手続とは
ケース紹介
ケース紹介32 Mさんの事例
30代 / 男性 / 会社員
借入の理由:住宅ローン、離婚
厚木市にお住まいの30代男性のケースです。
個人再生からの切り替えで自己破産をしたケースです。
厚木市内に住宅ローンを組んで自宅を購入していました。
生活資金や転職の際の収入補填などで、かなりの金額の債務を負ってしまっていました。
家計を妻に任せきりだったため、カード利用の金額も把握できていませんでした。
当初は、住宅を維持するために個人再生の利用を希望していました。
しかし、自宅の登記簿謄本を見ると、住宅ローン以外に、信販会社の抵当権が設定されていました。
個人再生では、住宅ローンだけは支払いを続け、自宅を維持することが認められています。ただ、この制度を使うには、自宅が他の借金の担保に入れられていないことが必要です。
住宅ローン以外の債務については、原則として支払を続けることは認められていません。そうすると、支払を止めることで、抵当権を使われ、自宅を失ってしまうリスクが出てきます。
そのため、個人再生では、このような抵当権がついていると、住宅ローン条項を使った手続が認められないのです。
おまとめローン、車のローン、会社債務の保証ローン、教育ローンなど名目を問わず、住宅ローン以外の抵当権が自宅についてしまっていると個人再生で自宅を残すことはできません。
今回も、このような抵当権があったため、選択肢としては、抵当権が付いているローンを第三者援助等で完済して抹消し個人再生で進めるか、自宅をあきらめるか、というものとなりました。
このような検討をしている際に、残念ながら離婚となってしまい、住宅を維持するモチベーションもなくなってしまいました。
そのため、自己破産手続へ切り替えています。
住宅については、査定価値よりローンの方が遥かに多いオーバーローン状態でした。そのため資産なしとして扱われ、自己破産は、同時廃止手続で終わっています。
自宅については、その後、競売か任意売却で進めることになります。
個人再生、自己破産の選択で迷っている人は、自宅の登記簿謄本(全部事項証明書)をお持ちいただければ、抵当権について確認ができますので、より有益な相談となります。