ホストクラブ利用の借金の自己破産の事例。神奈川県厚木市・横浜市の弁護士。

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ケース紹介

 

ケース紹介248 Rさんの事例

30代 /女性 / 会社員

借入の理由:ホストクラブ


座間市にお住まいの30代女性からの自己破産相談でした。

13社に対し約1600万円の債務があり、自己破産を希望しているというものの、そのほとんどの理由がホストクラブ利用とのこと。

しかも、ホストクラブからの900万円の請求を受けているとの内容でした。

ホストクラブの借金については、2023年後半あたりから社会問題化しています。これを原因として多重債務になってしまっている女性も多いでしょう。

そこで、今回は、ホストクラブ利用の借金と自己破産の関係について解説します。

この記事は、

  • ホストクラブ利用で多額の借金がある
  • ホストからの請求も厳しくて困っている

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2024.5.20

 

ホストクラブによる多額の借金

現代の消費者金融の発展とともに、手軽に大金を手にすることが可能になりましたが、その裏では、水商売や風俗といった特定の業界で使い果たすケースが後を絶ちません。

特に、ホストクラブでの浪費は、多額の借金を生む主な原因の一つとされています。

ホストクラブは、主に女性客を対象とした接客を行う場所で、ホストが女性の話を聞いたり、魅力を提供したりして、高額なドリンクや指名料を稼ぎます。顧客はホストに魅了されることで、度重なる来店と共に多額のお金を消費することになります。

ホストとの関係を断ち切れず、ときには脅迫のような追い込まれ方をして多額の支出をしてしまうケースもあります。

 

ホスト借金の原因

まず、ホストに対して高額な出費をしてしまいます。ホストに指名料やプレゼントをするため、通常の生活費以上の出費が発生します。

そのような支出をしたことを感情的に正当化するため、ホストに対する感情的な依存が強くなり、断ち切れない関係が金銭的な過負荷を生み出します。

ホストとのコミュニケーションが恋愛のように感じられることも、依存を深める大きな理由です。彼らは極上の気遣いや、現実離れした外見を武器に、日常の中の平凡な男性との比較で、一層輝いて見えるのです。その結果、一般的な恋愛に対する期待が現実と乖離し、ホストクラブへの依存が深まることとなります。

手持ちの現金がなくなった場合には、借入に頼ってしまい、その返済のためにさらに借入を重ねる悪循環に陥りがちです。

 

ホスト借金と任意整理

ホストクラブでの借金で多重債務になってしまった場合、債務整理を検討する必要が出てきます。

多額の借金は、金銭的な問題だけでなく、精神的、社会的な問題をも引き起こします。借金により生じるストレスは、仕事や家庭生活に悪影響を及ぼし、最悪の場合、精神的な健康問題につながることもありますので、何らかの解決方法を検討する方法があるでしょう。

そのなかで、最初に検討されるのが任意整理でしょう。

任意整理は、借金を整理する方法の一つで、債務者と債権者が交渉を行い、返済計画を見直す手続きです。

この方法では、支払い額を固定し、将来の利息を免除してもらえることが多いです。その結果、毎月の返済の負担が軽減されることが多いです。ただし、交渉による解決のため、債権者が拒絶する、ということもあります。

拒絶の内容として、特に消費者金融で多いのが、取引期間が短い場合、返済期間も短い合意にしか応じないというものです。貸金業者としても利息をもらえている期間が短いため、将来の利息を免除しての合意であれば、短期間で返してもらいたいという内容です。任意整理では、通常3年から5年の返済期間が設定されることが多いですが、短期間での借入の場合、これがさらに短縮される可能性があります。

ホストクラブのような借金原因では、多くの場合、短期間に大きな金額を借り入れて多重債務になってしまうことが多く、返済期間が短いことから、任意整理で長期間の無利息分割払いの合意ができにくいことが多いです。

クレジットカード借入の場合にはともかく、消費者金融や、消費者金融が保証している銀行カードローンの場合には、任意整理の解決が困難になることもあります。

 

ホストクラブ借金

ホスト借金と個人再生、自己破産

任意整理が使いにくい場合には、裁判所を使った債務整理手続きである個人再生や自己破産を検討することになります。

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、残った借金を3〜5年の分割払いで返済する制度です。借金の減額率は、借金の総額や収入などによって異なります。

500万円以上1,500万円未満の場合、財産がなければ、借金総額の5分の1にまで減額されることがあります。

個人再生では、履行可能性が必要になります。減額すれば借金を払えるような家計状況であることが必要です。

ホストクラブに通っていないことは当然ながら、類似の支出があれば、それをおさえるような家計改善が必要になります。

 

個人再生に対し、自己破産という方法もあります。
自己破産は、裁判所を通じて非免責債権を除くすべての借金を帳消しにする制度です。

自己破産を選択すると、財産を処分する代わりに借金を免除されます。

ただし、ホストクラブの借金の場合には、浪費による過大な支出とされ、破産法での免責不許可事由があるものとされます。このような不許可事由があっても、裁判所の裁量によっては、免責が許可されることも多いです。

自己破産の場合には、このような裁量免責を狙っての申立となります。

短期間での借入や多額のホストクラブ支出がある場合には、免責調査のため、管財事件にされる確率が高いです。

 

ホストクラブに対する債務

ホストクラブに払うお金を金融業者から借りた場合、その借金の整理は通常の債務整理で進めることになります。

さらに、ホストクラブ自体に債務を負っている場合もあります。

ホストクラブでの「ツケ払い」などの未払いの買掛金・売掛金などと呼ばれる債務です。

しかし、債務整理の中での任意整理では、ホストクラブとの間で金融機関と同じような合意ができる可能性は低いでしょう。

また、ホストクラブは未払の売掛金を担当ホストに負担させる例もあり、そもそも債権者が誰であるのか特定できないことも多いです。

交渉という任意整理での解決は難しいと考えておいた方が良いでしょう。

 

自己破産等でのホストクラブの債権

自己破産や個人再生では、すべての債権者を債権者一覧表に載せて申立をする必要があります。

そこで、まず、ホストクラブなどから請求されている金額がいくらなのかを確定させる必要、さらには、そもそも、そのような請求が法的に有効なのかを検討する必要もあります。

財産がなく配当がない自己破産事件ではともかく、個人再生や配当がある自己破産事件では、債権の調査がされることになります。その際、ホストクラブからの多額の請求を、そのまま認めてよいのかという疑問です。

ホストクラブの金額が多ければ、他の債権者への分配が減るという事案も出てきます。

ときには、その請求が、暴利行為など公序良俗違反で無効だといえる事例もあるでしょう。

 

 

ホストクラブ借金による自己破産事例

30代女性からの相談で、ホストクラブの債務も含めて自己破産をしたいとの相談がありましたので解説しておきます。

 

もともと奨学金の債務がありました。自己破産や個人再生ではこれらの債務も含める必要があります。

その後、学生時代にクレジットカードを作成、友達との交際費や洋服代に使っていたとのこと。支払いは、アルバイト代からできていました。

就職し、一人暮らしをし、決済方法としてカードを利用するほか、生活費が足りない時期に、カードを作りキャッシングをすることもありました。

 

アプリで知り合った男性から、マルチ商法の勧誘を受け、入会金として請求された金額を、アコムで借りて支払いをしました。その後、友人を紹介するように迫られ、怖くなって逃げてしまったため、収入は入らなかったとのこと。

その後、アプリを通じて、ホストと会い、誘いを受けて、ホストクラブへ通うようになりました。

最初は収入の範囲での支出だったものの、少しずつシャンパンなど高額なもの(平均10万~20万)をクレジットカードで支払いするようになったり、限度額まで使用したり、消費者金融にも借りて使うようになってしまいました。

当初は、恋愛感情も多少あったほか、ホストクラブの中でも彼に頑張って欲しいという応援の気持ちもあり、お金を使いすぎてしまったとのことでした。

 

ホストからの要求

支払いが厳しくなり、その旨をホストに伝えると、仕事を紹介されるようになります。

メンズエステ等の仕事から風俗の仕事を勧められるようになり、抵抗を感じていきます。

しかし、その間もホストクラブ通いは求められ、支払ができないのに、注文を求められ、売掛金として扱われるようになっていました。

金融業者への返済が厳しくなったため、弁護士に依頼し、カードの借金を任意整理。

副業の仕事が順調だったので、何とか払えると考えての依頼でした。

しかし、その後も、ホストからの誘いは続きました。

売掛債務が増えてしまうのは嫌なので、お店に行くのを断ると、今月は100万円を返せとか、親に言うなどと言われ、怖くなり、お店に行くような生活が続いてしまいました。

 

任意整理の返済をしつつ、ホストクラブの売掛金も払っていたのですが、同時にホストクラブにも通い続けさせられたため、結果として、新たな売掛債務が増え続けていく状態でした。

その後、担当ホストからは売掛の返済を毎月80万円にするよう求められることなどもあり、そのような支払はできないことから、お店に行っても1万円だけ支払い、実際には飲食もせずに帰ってくる(キャッシャー会計)ことを毎日のように繰り返すにとどめていました。

 

ホストにより精神症状

ホストからの求めがストレスにもなり、自己嫌悪、対人恐怖も感じるようになるなど精神的な症状が出てきたとのこと。

しかし、病院にも行けなくなり、症状が悪化
ホストからは売掛の支払ができないなら風俗の仕事をするよう要求が強くなったと感じ、パニック気味に。

怖くなり、知人や親に打ち明け、再度、弁護士に相談し、自己破産を希望するようになりました。

 

 

ホストクラブ債務と債権者一覧表

相談者の言い分では、ホストクラブに対して900万円程度の売掛債務が残ってしまっているとのことでした。

ただ、担当ホストからも直接請求されていたため、債権者の特定が明確ではありませんでした。

ホストクラブに関しては経営法人が債権者になります。

そこで、ホストクラブの債務に関しては、受任時に、店舗経営法人に対して債務を負っているのか、担当ホストに対して債務を負っているのか不明であったため、担当ホスト個人宛と店舗宛に受任通知を発送

すると、債権者からの回答として、担当ホスト個人の住所氏名が記載されたものと、ホストクラブ住所において債権者名としてホスト個人が書かれ、法人の押印がされているもの2種類の同額が記載されたものが返送されてきました。

そこで、裁判所への破産申立時には、一般的には、ホストクラブの利用客は、店舗経営法人に対して債務を負い、担当したホストがこれを保証するなどの理論構成により店舗経営法人に対して担当ホストも責任を負うとされていることが多いと思われる点を指摘し、債権者の主張する法的構成が不明だったため店舗経営法人の押印がされた債権調査票をもとに、債権者を店舗経営法人である株式会社、担当ホストがこれを保証していたものとして将来の求償権としての届出を債権調査票に記載してきたものとして、債権者一覧表を作成しました。

 

管財事件により裁量免責

ホストクラブに対する債務額が全体の半分以上を占めるなど多額でした。

法的に有効なのか疑問がある金額ではありますが、ゼロにはならないため、債権者一覧表には載せて免責の効力を及ぼす必要はあります。

金額が多額だったこともあり、当初から管財事件での申立としています。

破産手続き開始決定後、管財人面談の結果、反省文の提出や親族の監督書面を提出し、裁判官による裁量免責の許可が出されています。

財産がない状態だったため配当はなく、債権調査はされない見込みでした。

破産管財人の話では、同種事件で、ホストが債権者集会に来たケースを知らされましたが、出席どころか、破産手続きでの債権届もしてこないという対応でした。

 

 

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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