自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介247 Mさんの事例
50代 /女性 / 会社員
借入の理由:同居人のカード利用
藤沢市にお住まいの50代の女性、会社員からの相談でした。
9社 1200万円の債務があり、自己破産を希望しているとのこと。
ただし、内容を聞いてみると、現在の夫による無断利用や、黙認したカード利用が大部分を占めているとのことでした。
そこで、今回は、家族や同居人によるカード利用と自己破産の関係について解説します。
この記事は、
- 同居人によるカード利用がある
- 家族に使われたカードの債務を破産したい
という人に役立つ内容です。
家族のカード利用
クレジットカードの不正利用は現代において頻繁に発生する問題です。
一度被害に遭うと金銭的損失だけでなく、精神的な苦痛も伴います。
このような状況を未然に防ぐため、クレジットカードの利用履歴を確認するようにしましょう。
まず最初に行うべきは、クレジットカードの利用履歴を確認することです。利用明細を通じて、日付や利用店舗、金額が自身の記憶と一致しているかを確認します。利用履歴には時折、店舗によるタイムラグが存在するため、古い日付で記載されている場合もあります。また、家族カードが関与している場合は、家族にも使用状況を確認してもらうことが重要です。これにより、自分自身が行っていない取引を見逃すことなく、正確な状況把握が可能になります。
家族がカードを使用している可能性も考慮に入れ、家族にも確認を取ることが大切です。
カードの不正利用との相談のなかで、家族や知人、同居者による利用だったというケースは相当割合を占めると言われます。
クレジットカード会社に連絡
利用履歴の確認後、第三者による不正利用が疑われる場合は速やかにクレジットカード会社に連絡を取ります。
カード会社に連絡し、カードの利用停止を依頼します。この時点で、カード会社は必要な調査を開始し、補償の適用可否を判断します。
カード会社に連絡することで、カードの一時停止や新しいカードへの切り替えが行われ、さらなる損害を防ぐことができます。
また、カード裏面の署名の有無が補償に影響することもあるため、カード裏面に署名をしておくことは不正利用を防ぐ上で有効です。
カード会社は不正利用の調査を行い、補償の対象となるかを判断します。速やかな行動が求められます。
警察に被害届
クレジットカードの不正利用は犯罪行為に該当します。そのため、被害届を警察に提出することで、公的な捜査が開始され、犯罪の解明につながります。
被害届を提出することで受け取る「受理番号」は、カード会社に補償を申請する際に必要とされることがあります。これにより、法的な手続きがスムーズに進むだけでなく、犯罪防止にも寄与します。
不正利用に対する支払いの拒否
カードが不正に使用されたことが確定した場合、その取引に対する支払いを拒否する権利があります。これにより、不正に支払われた金額を取り戻すことができる可能性もあります。
家族や同棲相手による不正利用
もし家族や同棲相手が不正にクレジットカードを使用した場合、対処法は異なります。
この場合、被害者の管理責任が問われることがあり、補償の対象外となる可能性が高くなるからです。
しかし、カード会社には主張できなくても、利用者本人への請求は法的にはできます。法的手続きを通じて補償を求めることは可能であり、少額訴訟などを通じて金銭的な回復を図ることも一つの方法です。
家族名義を勝手に使用して借金
親が子供の名義を利用するなど、家族名義での借金を勝手に進めてしまう事例も多いです。
親が子供の本人確認書類や印鑑を使用し、名前を契約書に書いて借金をする事例です。特に、親と子が同居している場合、この行為はさらに容易になります。
近年は、インターネットだけで融資が進められることも多く、来店不要で、在籍確認が省略される場合すらあるため、実際に子供が申し込んでいなくても親が子供名義で借りてしまうことも出てきます。
家族による借金が発覚
自分の知らないところで借金が作られていた事実を知るきっかけとしては、次のようなものがあります。
子供が自身の名義でクレジットカードやローンの申し込みを行った際、親の滞納により信用情報に悪影響が出ており、審査に落ちることで判明する場合もあります。子供自身が自分の信用情報を照会すれば、親による借入先が表示されることになり、そこで判明するという流れです。
もっとダイレクトに、金融機関からの催促で判明することもあります。
親が返済を滞納すると、その借金の名義が子供になっているため、催促の連絡が子供に直接行くというケースです。
他人の借金の返済義務
そもそも、他人の名義を使用することは違法です。
もし親が子供の名義で借金をした場合、本来の支払義務は親にあります。しかし、この事実が知られず子供に請求が行くこともあります。
勝手に契約書に署名や捺印を行う行為は、私文書偽造罪や偽造私文書行使罪、詐欺罪に問われる可能性があります。
身に覚えのない請求が来た場合には、状況の把握が必要です。
契約書の確認と親からの経緯の聴取を進めるべきでしょう。
そのうえで、親など名義を利用した人物の刑事責任も問題ないという場合であれば、自身の支払い義務を否定する主張を金融機関にぶつけます。
債務不存在確認訴訟の提起をし、裁判で名義冒用等を主張することになります。
債務整理の検討
名義利用者への責任追及が困る場合や、カードの管理責任などもあり、対・債権者で争えない場合もあります。
その場合、債権者との関係では自身に支払い義務があることになります。
支払が困難な場合は、任意整理、個人再生、自己破産などの手続きを通じて負担を軽減することも選択肢となります。
同居人によるカード利用の自己破産事例
同棲相手による相談者名義のクレジットカードの利用があったので、その報告をしています。
その同棲相手とは、その後に結婚していました。
クレジットカードの無断利用は、10年以上も前から始まっていました。同棲相手は、パニック障害等を発症しており、パチンコ等のギャンブルや飲酒をしている際には精神的に安定していました。
同人は、これらの費用を捻出するため、相談者のクレジットカードを無断で利用、換金行為を行うようになりました。
相談者は、カード明細を確認しておらず、無断使用に気づいていなかったところ、数年後、クレジットカードを利用しようとしたところで限度額が使い切られていたことが判明、同棲相手による無断利用に気付きました。
しかし、同棲相手の症状に苦しむ様を間近で見ていた相談者は、同棲相手を強く咎めることはできず、それ以降は無断利用を半ば黙認する形になってしまいました。
同棲相手によるクレジットカードの利用額は総額で3000~4000万円に及ぶものと考えられました。
夫からの回収可能性
現在、婚姻し、配偶者となっている夫から、カード利用分の回収ができるのか問題となります。
無断使用であれば、法的には返還請求や賠償請求ができるはずです。また、利用を認めていた場合でも、破産手続きでは、否認権の問題などが検討されることになります。
しかし、申立人の夫は無職であり、夫自身も約830万円の債務を抱えていました。
現金や預貯金、保険、自動車、不動産などの資産は何もなく、夫による申立人名義のクレジットカード利用分について、夫から回収できる見込みは全くありませんでした。
その旨を報告書でまとめています。
個人再生依頼後の自己破産
相談者は、返済が限界を迎え、東京の弁護士に個人再生を依頼。しかし、契約期間満了により辞任されてしまったため、改めて弁護士に自己破産を依頼したという経緯でした。
結局、夫を信じたがために、借金を抱え、財産を失うことになってしまいましたが、相談者自身にも夫を甘やかしてしまった部分があったのかもしれないと反省しているとの報告をし、同時廃止手続きにより免責許可が認められています。
家族利用の借金による自己破産事件も相談があります。ご相談は無料で受け付けています。
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