自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介245 Yさんの事例
70代 /男性 / 無職
借入の理由:支援金サイト詐欺
厚木市にお住まいの70代男性からの自己破産相談でした。
支援サイト、支援金をもらえるとの詐欺にあい、知人なども含め多数の人から800万円の債務を負ってしまったとのことです。
そこで、今回は、支援サイト詐欺、支援金名目での借金と自己破産手続きについて解説していきます。
この記事は、
- 支援サイト詐欺での借金を負った
- 家族が支援サイトで多重債務
という人に役立つ内容です。
支援金詐欺とは
「支援金詐欺」というのは、まるでオアシスを求める旅人に砂漠の蜃気楼を売りつけるかのような手法で、人々の希望や信頼を利用して金銭をだまし取る一種の詐欺です。
この詐欺は、「あなたには支援金を受け取る権利があります」や「遺産を受け取ってください」などといった、希望に満ちたメッセージを使って接触を試みます。
被害に遭うまでの流れは、迷惑メールやSNSでの支援の提案から始まることが多いです。
さらには、「私も過去に支援金に救われました。今度は私が支援する番です」といった、経験者が現れ信頼を築こうとする手口もあります。
被害者がこの甘い誘いに乗ると、専用の支援サイトへ誘導され、そこで登録料や有料ポイントの購入を促されます。
支払いはクレジットカードで行われ、時にはコンビニエンスストアで電子マネーを購入させ、その利用番号を聞き出すといった手口も使われます。このようにして、被害者は気がつく間に大金を騙し取られてしまいます。
支援金詐欺のパターン
支援団体を名乗ってくるパターンがあります。
このパターンでは、「お困りの方が受け取れる支援金があります」といったメッセージを送り、具体的には「シングルマザーのための支援金」や「高齢者のための支援」、「新型コロナが原因の生活困窮者のための支援」を餌にすることがあります。また、災害時に活動をしているように装い、寄付を求めることもあります。
政府が本当の支援金制度を始めるタイミングなどでこのような勧誘が増えることも多いです。
財産を受け取る権利があると主張するパターンもあります。
相続税対策として財産を受け取ってほしいなどというお願いです。
このパターンでは、相続税の節税策として財産を手放すことを持ちかけ、受け手を騙そうとします。
また、資産家(支援家)を装い、支援や相談を装うパターンもあります。
「自分にはこれ以上のお金が必要ないので、若い人を応援したい」や「困っている人を助けたいので、相談してほしい」といった親切な申し出を装います。
このような入口から支援サイト等を案内され、逆に支払いをすることになってしまうのが支援金詐欺の手口です。
支援金を受け取るための費用
支援金を受け取るために逆に支払うよう求められるものとしては、次のようなものがあります。
- 支援サイトへの登録料
- メッセージのやり取りに必要な有料ポイント購入
- 連絡先交換のための有料会員登録
- 文字化けに対する「セキュリティ解除」という名目の有料ポイント購入
これらはすべて、支援金を受け取るための「条件」と偽り、被害者の期待と欲求を煽り、判断力を麻痺させて課金を繰り返させるための仕組みです。
支援金詐欺の被害対策
支援金詐欺に遭遇した場合の対処法としては、銀行、クレジットカード会社などの支払い方法、決済方法から止められないかを確認するのが第一です。
送金を止められるのであれば、それがベストです。
それと並行して、警察等への相談をするのが良いことが多いです。支払い方法が銀行口座振込の場合、口座凍結などにも動いてくれやすかったり、詐欺だと言ってくれることも多いでしょう。
このような被害に遭った場合に、弁護士に相談して、被害金を取り返す動きもないわけではありません。
ただ、弁護士会でも問題にされているように、詐欺被害の回復は、現実には難しいことが多いです。
要は詐欺の加害者にたどり着けなかったり、相手に資力がなかったりして、現実には被害回復ができなくても、弁護士費用がかかってしまうことで、経済的な負担が増えてしまうケースです。
弁護士会で問題にされているのは、詐欺被害者に、回復確実であるかのような広告で勧誘し、着手金の負担をさせる弁護士事務所です。
ただ、一般の弁護士事務所でも、被害回復のための裁判等を依頼するのであれば、費用はかかってしまいます。
コストを受け入れ、どこまで動くかの判断です。
一般的には、詐欺被害となると、預金口座や携帯電話の名義人など、たどり着ける相手に対し、損害賠償請求をし、一定額を回収できる例もあります。というか、現状では、たどり着ける相手が、その程度しかいないため、犯罪に使われた道具を提供した人物に対し、共犯だとして請求するくらいしか回収できるパターンがないのです。
そして、このような名義人にたどり着けたとしても、その名義人自身に資力がないと、裁判所の判決で勝っても、現実には回収できません。
確率論からすれば、弁護士に依頼・裁判をしても、費用倒れになってしまう確率のほうが高いのです。
そのため、このような支援サイト詐欺、支援金詐欺の被害に遭って借金を負ってしまった場合、借金自体の債務整理をして解決する人も多いです。
プラスの財産は戻ってきませんが、借金というマイナス部分だけでも減額したり消してもらい、人生をやり直すという選択です。
支援金詐欺による自己破産事例
70代男性からの相談がありました。
友人家族含め34名から800万円の借入があって自己破産を希望しているとの相談でした。
主な借入理由は支援サイトへの支払いでした。
もともと、クレジットカードを作成し、買い物などに利用していたとのこと。
数年前に、支援サイトに勧誘されました。
金銭的支援を受けるためにはポイントを利用しての手続が必要とのことであり、ポイントを購入して手続を行っていきました。ポイントの購入は、現金やクレジットカードを利用しました。
支援サイトでの手続は一時断念し、借金だけが残りました。
そのため、親族から借入を行い、業者への借入の一部を返済。
その後、救援者と称する者から、不正受給者リストとブラックリストに登録されており、解除しなければ支援を受けられないなどといったメールが届きました。
そのため、再びポイントを購入して手続を進めていきました。
借入れが限度額に達し、支援サイトの手続を中断すると、支援家を称する者から、口座への反映はもう少しであり、費用はかからないとの連絡が入るように。費用がかからないのであればと手続を再開。
しかし、実際に手続を再開すると、手続を進めるためにポイントが必要。生活費の不足もあり、知人にも借金をするようになりました。
このまま手続を完了できないと、これまで使った費用が無駄になると考え、どうにか費用を工面しなければと思うようになりました。
そこで、自宅を売却することに。売却代金は、滞納していた管理費の支払の他、生活費、返済、支援サイトのポイント購入に使用。
更に費用が必要と言われ、甥に借金を申し込んだ際、詐欺を疑われ、弁護士への相談を勧められたという経緯でした。
住居まで失っており、被害は甚大でしたが、債務も多く、自己破産での解決を希望していました。
支援サイトへの支払い
支援サイトに於いて支援を受けたく手続きをする為に必要な交信用のポイントを現金やクレジットにて電子マネーを購入し手続きをしている中でポイントの消費が早く何回となくポイントを購入しては手続きを進行していったとのこと。
支援手続きを続行している中で救援者と称する女性の3人のメンバーからメールが入っています。
途中では、悪徳支援家による結果、不正受給者とみなされ不正受給者リストに登録され、それにブラックリストにも登録されており全サイトにおいて、不正受給者リストから解除しなければなりません、これまで幾度となくその様な方達を救って来ました、もう安心して下さい、私達が助けますからとのメッセージもありました。
支払いを求められ、手続きを途中でやめようとすると永久追放などと言われ、止めることができなかったとのこと。
詐欺被害ではありますが、高額支出をしていると破産管財人が選任され、免責のための調査などをされることのほうが多いです。この事件でも破産管財人、裁量免責というルートでの解決となりました。
支援サイト詐欺を理由とする借金による自己破産事件も相談があります。ご相談は無料で受け付けています。
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