自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介241 Kさんの事例
40代 /女性 / パート
借入の理由:交際相手、裁判放置
寒川町にお住まいの40代女性からの相談でした。
11社241万円の債務があり、何社からか裁判を起こされているほか、ギルドから自宅の動産の差し押さえをするという予告文書が届き、怖くなって相談に来たということでした。
ギルドの債務は100万円以上にもなっていましたが、確認すると、裁判所の判決が出る前に消滅時効期間が過ぎているような内容でした。
そこで、ギルドの時効と自己破産について解説していきます。
この記事は、
- ギルドからの督促状が届いた
- ギルドからの裁判を放置してしまった
という人に役立つ内容です。
ギルドからの意外な請求
最近、多くの方から、ギルドや類似の金融機関から突如の請求に関する相談を受けています。
多くは、かつての借り入れの記憶はあるものの、引っ越しなどで請求が途絶え、何年後かに莫大な遅延損害金を含めた請求が突如として届くというもの。
これに対して、多くの場合、既に消滅時効が成立しており、適切な文書を相手に送付すれば請求は中止されます。
注意点として、ギルドだけでなく、他の業者も同様の請求を行っている場合があります。厳しい経営状況から、手段を選ばずに回収しようとしている可能性が考えられます。
ギルドという名前の背景
ギルドは、多くの消費者金融が過去に合併や名称変更を経て現在の名前になった業者です。
ギルドの名称に馴染みがなく、突然の請求に驚かれる方も多いと思います。
・信和、山陽信販、ハッピークレジットの3社が合併し、ハッピークレジットが主体となる。
↓
・その後、ハッピークレジットがトライトに名称変更。
↓
・さらに、トライトがヴァラモスに名称変更。
↓
・最終的に、ヴァラモスがギルドに名称変更。
この流れを知っていれば、過去の業者名からギルドになっていることがわかるでしょう。
ギルドの訴状に注意
ギルドは、消滅時効期間が過ぎているにもかかわらず、頻繁に裁判所を通じて請求を行ってくる業者として知られています。
特に、大阪簡易裁判所からの「訴状」の到着が多いです。
訴状が届いたら、消滅時効期間が過ぎているかどうかの確認が必要です。
ギルドの訴状は決まった形式を取っており、その内容から時効の成立を判断する材料を得ることができます。
時効になった債権で裁判を起こしてくる他の業者と同じく、訴状内の「支払済みの額」欄にある「最後に支払った日」という記載を確認し、その日から5年以上経過していれば消滅時効の主張ができる可能性が高いです。
もし消滅時効が成立していれば、適切な答弁書を提出するだけで、裁判は取り下げられるケースが多いです。
ギルドからのさまざまな通知
ギルドは、消滅時効期間が過ぎている借金でも、様々な通知書を送付してきます。
その中には、「返済相談通知」などもあります。
裁判所で判決がとられていると、動産差押えの予告などが届くこともあります。
ギルドと消滅時効
消費者金融等の借金には5年の消滅時効があります。
5年以上返済がなされていない場合、消滅時効が成立する可能性があるのです。
ただし、消滅時効期間が過ぎていたとしても、具体的な手続き(時効の援用)を取らないと借金の支払い義務は残ります。
義務はあるので、督促状を送ったり、裁判を起こすことは禁止されません。
そこで、ギルドからの通知書を無視すると、裁判所から訴状が届く可能性があるのです。
裁判を起こされたばかりであれば、この段階でも時効の主張はできます。消滅時効が過ぎているなら、ギルドは裁判を取り下げる可能性が高いです。
ギルドの確定判決
消滅時効期間が過ぎているのに、ギルドから裁判を起こされた後、裁判所から届いた訴状を放置し、確定判決が出てしまうと、消滅時効の主張はできなくなります。
判決には既判力という問題があり、裁判の時点で主張できた反論は、裁判後に主張できなくなります。
裁判などでの債務名義が存在する場合、そこから消滅時効期間が過ぎれば消滅時効の主張はできますが、時効期間は10年となります。これは、法的手続きを経ているため、通常よりも長い期間が設定されているものです。
そのため、裁判を起こされたらしっかり消滅時効の主張をしておき、裁判手続きもどうなっているのか確認が必要なのです。
ギルドと信用情報
ギルドは現在、貸金業を行っていないため、信用情報機関に登録されていません。
そのため、ギルドからの請求や時効援用が信用情報に影響することはありません。
ギルドの請求と自己破産
適切に時効援用手続きをしていれば、ギルドからの請求を拒否できることも多いです。
しかし、裁判を放置してしまうと、消滅時効の主張が認められなくなります。
そのような場合、法的には、何年分もの遅延損害金の支払い義務も出てくることになります。元金の何倍もの支払い義務が発生してしまうのです。
任意整理で分割払いができなければ、自己破産や個人再生の申し立てを考えなければならなくなります。
今回も、ギルドからの裁判を放置してしまい、差押等の予告がされたことから、自己破産を選択し解決した事例を紹介します。
交際相手からの要求で借金
同棲中の交際相手から、「生活費が足りないので、借入れをして欲しい。返済原資は自分が用意する」等と言われ、アコム、アイフル等から借入れしたのがきっかけでした。
同様の経緯で、その後、新生フィナンシャル、ギルド等からも借入れをすることに。
その後、交際相手は家を出て行き、連絡もとれなくなってしまい、自分の収入の中から返済を継続。
数年後、債務の返済が限界となり、債務は放置するように。
各債権者から裁判を起こされましたが、これも放置。
ギルドは時効期間が経過した後に、訴訟提起されていました。裁判で消滅時効の主張をすればよかったのですが、これも放置してしまい、多額の遅延損害金を含めたギルドの請求を認める判決が出てしまい、確定。
翌年には、ギルドより債務名義に基づき動産執行を行うとの通知が届き、弁護士に相談したという経緯でした。
裁判資料の提出
自己破産の申立時に、債権者からの裁判や差押がされている場合には、その資料も提出します。
今回も、複数の債権者から裁判を起こされ判決を取得されていたため、判決の写し等を提出しました。
しかし、ギルドの判決については、相談者が保有しておらず、ギルドに対して資料提供を求めましたが、拒絶されてしまったため、提出できませんでした。
そのような経緯を報告することで破産手続きは進められています。
破産裁判所にて、どうしても提出を求められた場合には、提訴された裁判所に問い合わせて記録を謄写することになるでしょう。
交際相手からの回収可能性
自己破産手続きの中では、当初の借り入れ理由である、交際相手からの回収可能性がないのか指摘されました。
自身で借り入れをしたとしても、そのお金が交際相手に渡っているのであれば、そこから回収ができる可能性もあります。そのため、回収可能性がない、財産にはならないことを主張しています。
そもそも、氏名がわかりませんでした。同棲相手の名字も忘れてしまい、下の名前も漢字がわからないとのこと。
同棲生活の生活費が足りず、同棲相手は既に借金があり、自分の名前では借入れができないということで、相談者の名前で借入れをするよう求められました。
返済した分につき、同棲相手から回収を図ろうにも、同人には収入・資産がなかったため、回収はできませんでした。そして、その後、同棲相手は家を出て行き、連絡もとれなくなってしまいました。
連絡先もわからず、仮に請求できたとしても、相手から時効の主張をされると回収できない状況でした。
そのため、この点は問題なく、破産手続きが進められ、免責許可が出ています。
ギルドの借金に関する自己破産事件も多く相談があります。ご相談は無料で受け付けています。
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