自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介238 Sさんの事例
40代 /男性 / 派遣社員
借入の理由:風俗、生活費
大和市にお住まいの40代男性からの借金相談でした。
クレディセゾン、エポスなど5社に420万円の借金が支払えないとの相談でした。
借入の理由を聞いてみると、風俗利用があるということで注意が必要でした。
この記事は、
- 風俗利用による借金がある
- 浪費理由の自己破産を考えている
という人に役立つ内容です。
風俗利用と自己破産
風俗利用は、一見楽しみの一つと思われがちですが、実は経済的な危機の引き金にもなりえます。風俗での支出が増えると、自然と負債も増加。
負債が増えれば、自己破産のリスクも高まるのです。
風俗での遊びがエスカレートすると、クレジットカードや消費者金融からの借入が増えます。借金が雪だるま式に増えると、返済が困難に。この状態が続くと、自己破産が避けられなくなる可能性が高まります。
風俗利用と免責不許可事由
自己破産を考える際、風俗利用による借金は「免責不許可事由」に該当する可能性があります。
つまり、理論的には、破産しても借金が消えない場合があります。
法的に免責不許可事由になるのは、浪費やギャンブルによって過大な借金を負った場合です。
自分の収入・財産の範囲を超えて風俗利用をしたのであれば、免責不許可事由になります。
この場合、裁判官の裁量によって免責を許可してもらう裁量免責を狙うことになります。
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風俗利用による借金で自己破産は可能か?
風俗での遊びによる借金でも、自己破産による免責は可能です。ただ、この種の借金で自己破産を進める場合、いくつかの障壁が存在します。
自己破産を行うには、裁判所に申立てをし、借金の免責を受けられるかどうかの判断を仰ぐ必要があります。
免責とは、借金の返済義務がなくなることを指します。しかし、上記のとおり、風俗利用は浪費となり、「免責不許可事由」とされることが多いです。
この「免責不許可事由」には、財産の隠蔽や偏頗弁済、故意の隠蔽行為なども含まれます。
娯楽費での借金は、裁判所から見れば必要な借金とは認められないのです。
裁量免責の可能性
ただし、全てが絶望的なわけではありません。「裁量免責」という制度があり、個々の状況を考慮して、裁判官が免責を認める場合もあります。
風俗利用は確かに浪費に該当しますが、反省と更生の意志があれば、裁量免責の可能性は十分にあります。
裁量免責が認められるかどうかは、支出の金額や悪質性、更生などの事情がポイントになってきます。なるべく自分にとって有利な自己破産申し立てを進める必要があります。
自己破産と反省文
自己破産の申立てには、多くの書類が必要です。
そのなかで、風俗利用などの「免責不許可事由」がある場合、反省文の提出が求められることがあります。
この反省文には、風俗利用の背景、更生への意志、そして具体的な行動計画などを含めるとよいでしょう。
当然ながら、反省だけでなく、実際に行動を起こすことが重要です。つまり、借金の支払を止めたあとは、風俗利用も一切止める、それが難しければ依存症などの治療を検討することも考えられます。
管財事件になる可能性が高まる
自己破産には大きく分けて「同時廃止事件」と「管財事件」の二種類があります。
-同時廃止事件: 財産がほとんどなく、免責不許可事由もない場合。手続きがスムーズで費用も少ない。
-管財事件: 価値のある財産がある場合や、免責不許可事由がある場合。破産管財人が選任され、調査が行われる。
風俗利用による借金は免責不許可事由に該当する可能性が高いため、多くの場合で「管財事件」となります。
同時廃止を希望して申し立てても、裁判所の判断で管財事件にされることもあります。
管財事件にされた場合、神奈川県では20万円の予納金を準備する必要が出てきます。手続きが長引き、費用も増加することになります。
家族に知られるリスク
風俗利用を理由にした自己破産の場合、家族に秘密にしたいという声も多いです。
管財事件の場合、価値のある財産(例:保険、車)が処分される可能性があるほか、本人宛の郵便物が破産管財人に転送されることから、家族に自己破産がばれるリスクが高まります。
自己破産が難しい場合の対処法
以上の理由から自己破産を選択できないと考える場合、他の債務整理方法が使えるのかを見ていきましょう。
一般的に、債務整理方法としては、自己破産のほか、任意整理や個人再生が選択肢としてあります。
風俗利用と任意整理
自己破産が選択できない場合、任意整理が一つの選択肢です。これは弁護士を通じて債権者と交渉し、借金の利息を減らす手続きです。
任意整理は財産処分の必要がないため、家族や友人に知られにくい点が特徴です。
任意整理でも多くの業者は、将来の高い利息が減らされるため、返済が現実的になる可能性があります。
ただし、任意整理後の元本は通常、3~5年で完済するように求められます。また、消費者金融は、最近、任意整理に厳しい対応を取ってくることが増え、短期間の取引の場合には、短期間で返済するよう求めてきます。
自己破産よりも借金をすべて返済することから、当然ながら家計に余力がなければ使えません。
風俗利用と個人再生
自己破産も任意整理も選択できない場合には、個人再生が選択肢となります。
裁判所を通じて借金を5分の1や、10分の1まで減額できます。借金の理由が特に問われないのがメリットです。
ただし、債権者の同意が必要なので、風俗などで短期間に多額の借金をした場合、債権者が同意しない可能性もあります。金融機関であれば、借金の使途までチェックしないことがほとんどですが、知人、親族などからの借入があると、これを理由に反対させることもあり得るでしょう。
任意整理よりも借金を減額できるので、返済はラクになりますが、家計に余力があるかどうか裁判所にチェックされることになる点や、すべての債権者を公平に扱う必要がある手続です。
風俗通いの法的リスク
借金の返済ができなくなると、最終的には財産が差し押さえられる可能性があります。裁判を起こされ判決が出ると差し押さえリスクが高まります。
差し押さえられる財産には、給料、銀行口座、自動車、不動産などがあります。
差し押さえが行われると、家族や職場の人に借金問題がバレるリスクが高まります。
裁判所からの手紙が届いたり、給料が差押えたりする事が出てくるからです。
風俗通いをやめるための対処法
風俗通いが止まらない場合、性依存の可能性もあります。依存症であれば、早めに専門のクリニックで治療を受けたほうが良いでしょう。
風俗利用での多重債務の相談も多いですが、依存症とまでいえる人は稀です。
多くの人は、性的欲求や、ストレス発散手段になっています。ストレス発散の場合、他の方法を見つけることで止められることも多いです。
風俗利用の自己破産の事例
今回の事案でも風俗利用があったので裁判所に報告しています。
借金の期間に約100万円の風俗利用がありました。
裁判所へは、免責不許可事由があるものの、その金額は多くないと主張。加えて、風俗店利用は、自己の収入による支払・返済が見込まれる時期のものであり、悪質とは言えないと指摘。
現状、親族からの援助を受けつつではあるが、借入を行うことなく生活しており、免責によって経済的更生を図る見込みが存在すると主張し、裁量免責が相当と意見書を書きました。
経緯を確認すると、クレディセゾンでクレジットカードを作成し、買物に使用するようになるのがきっかけでした。
転職後、風俗店を利用するようになったが、当初は給与の範囲内で現金払い。
しかし、さらに転職。ストレスから体調不良となり、業務に支障が出るように。そのため収入が落ち込んでいきます。この頃から、風俗店の決済にクレジットカードを利用するように。
カードも少しずつ増やしてしまいます。
他の部分でも体調不良となり、収入が低い状態に。
親族より援助を受けるようにもなりました。
生活費も不足するようになり、カードで補うようになっていきます。親族から、これ以上の援助は難しいといわれ、返済が困難と考えるようになったとのことでえした。
風俗利用の頻度について
風俗店に通った頻度は、月平均で1~2回、1回に約2万円から多くても4万円程度だったので、月平均にすれば4万円くらいだったとのこと。
当初は、収入の範囲内で利用し現金で支払いをしていました。
収入の少ない月はクレジット決済をしていましたが体調が戻れば返済が可能な状況でした。
体調不良で休職したとき、風俗店へ行くことを止めました。その後は、1度風俗店に行った程度のことでした。
自己破産での同時廃止、免責
報告の結果、本件では、破産管財人をつけずに同時廃止手続により、自己破産手続が進められ、裁量免責の許可ももらうことができています。
負担が少ない方法での解決となりました。
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