自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介208 Tさんの事例
30代 /男性 / 会社員
借入の理由:詐欺被害、FX
神奈川県の湯河原町にお住まいの30代男性のケースです。
詐欺被害、FXなどで負ってしまった借金が払えないとの相談でした。
この記事は、
- FX、詐欺被害で多額の借金に
- 湯河原町で自己破産を考えている
という人に役立つ内容です。
離婚・養育費支払い
借金をした当時、月収30万円程度の仕事をしていました。
生活費には十分な収入でしたが、車検の費用など、一時的にお金がないときに、アコムなどから借り入れをして補っていました。ただ、大きく借りることはなく、何度か完済をしました。
その後、離婚をしました。それまでは共働きだったのが自分の収入だけで生活をするほか、養育費の支払も発生。
そのような支払で、生活費が不足したため、クレジットカードを利用して、生活費をショッピング払いにし、リボ払いを利用するなどしてしまいました。
リボ払いにすると、利息の負担が長期化し、徐々に借金が増えていくことが多いです。
競馬による借金
そのような状態で数年間、借金の返済は続けていたのですが、競馬での支出を借金でするようになってしまいました。
以前は、趣味の範囲でやっていた競馬について、必勝法などの情報商材に合計50万円程度を支出、馬券購入に50万円程度を支出し、100万円以上の借金となってしまいました。
必勝法の情報については、一度も当たりませんでした。
結果、競馬からは足を洗いました。
必勝法詐欺は、多くのギャンブルで見られます。詐欺とまではいえなくても、価値に見合わない情報商材なども多いです。
ギャンブル支出は、免責不許可事由となる可能性が高いですが、このような情報に高額支出をしていると、こちらも浪費として免責不許可事由になることが多いです。
出会い系詐欺
約1年前、マッチングアプリで知り合った中国人の女性から、勧誘され、ビットコインなどの暗号資産の取引を始め、合計150万円程度の送金をしました。
しかし、彼女に渡したお金は、すべてロスカットされ、なくなってしまったと説明を受けました。
この購入資金などに、消費者金融で追加借り入れをしたり、新たな借り入れをするなどしました。
話や取引履歴を見る限り、詐欺被害の可能性が高い事案でした。
出会い系詐欺被害の実態
GMOコインでの取引の大部分が、詐欺被害にあったもののようでした。
マッチングアプリで知り合った中国人女性とのやりとりで、稼ぐ方法があると言われて、ビットコインを購入し、GMOコイン経由で送ってしまったとのことです。
女性とは、マッチングアプリで知り合った後、LINEを交換してやりとりをしていました。
そのうちに、仕事の話になったところ、女性は、投資をしていると言ってきて、多額の利益を出している写真が送られてきました。
すごいですね、と伝えたところ、私でもできると言われました。当時、借金が200万円程度あったところ、すぐに返せる、一緒に教えてあげると言われ、取引を始めました。
偽アプリを利用した詐欺
GMOコインでの送金記録を見ると、独自アプリへのビットコイン送金記録がありました。
彼女から教えられたアプリとのことでした。銀行からGMOコインの取引所へ入金、ビットコインを購入し、アプリへ送金したという流れです。
そのアプリ内で、彼女に言われたとおりに取引をしたのですが、損失を出してしまったとのことでした。
その後、彼女が直接取引をするということで、彼女の指定するアドレスに指示されるままビットコインを送金しました。
このアプリ自体は普通にはインストールできないもので、彼女の指示されたとおりにやらないと使えないものとのことでした。現在は削除されてしまい、内容を確認できません。このアプリ自体が詐欺だったのかわからないとのことでした。
しかも、その後、彼女は、アカウントを変えたのか、過去のメッセージを振り返ろうとしたところ、画像が変更され、別名になっていたとのこと。女性とはメッセージのやりとりのみで、会ったことも電話したこともありませんした。
1btc以上を送金し、だまし取られた可能性が高いです。
暗号資産取引
この後、暗号資産取引を、自分でやればうまくいくのではないかと考え、調べて取引をするようになりました。
しかし、損失を出してしまいました。デリバティブ取引をしたそうで、10~20万円程度の損失でした。
これらの取引で借金が増えてしまい、それ以上の借り入れができなくなったので、給料から返済を続けた生活をしていました。
おまとめローン
その後、アイフルから勧誘を受け、おまとめローンを利用しないかと言われました。
また、同時期に、銀行からも、他社の借り換えを勧められました。
そこで、これらの契約をしたところ、完済業者から再度借り入れをするようになってしまいました。
おまとめローンでありがちな事態です。完済業者では、再度、借り入れができるので、その誘惑に負ければ、借金が倍増してしまうというデメリットです。
FXで借金増加
借金を返す方法はないかと思って、Youtubeで検索したところ、お金を稼ぐ方法としては、ビットコイン以外に、FXがあると知りました。
これを勉強して、再度、借り入れをしたお金を資金として、複数の取引所でFX取引を始めました。
しかし、取引はうまく行かず、合計で400万円近くの損失となってしまいました。
これをほとんど借金で補っていたのですが、もう借り入れをすることができなくなってしまい、返済ができなくなってしまい、弁護士に相談に来たという経緯でした。
FXはやり方によっては利益を上げられることもありますが、借金を一気に返そうとすると、レバレッジを高くし、ハイリスクになります。多くの人は、ギャンブルと同じような取引をしてしまいます。これだと、負けたときには損失が大きく、返済できないくらいの借金を背負うことになってしまいます。
このような取引だと、投機行為として免責不許可事由になります。
FX業者への送金経緯
FX、仮想通貨取引などを複数の業者で行っている場合、お金の流れを説明する必要があります。
銀行預金口座からFX業者への直接の送金などがされていればわかりやすいのですが、他の決済手段を使っている場合には、補足説明が必要です。
今回の事例でも、BITWALLETを通しての入出金があったので、その明細を取り寄せ、個別に説明書を作成しています。
社宅の利用
現在の住居が社宅とのことで、それを示す必要がありました。
ただ、会社からは社宅の利用証明などは出ないとのことでした。
賃貸借契約書の写しをもらえたので、これを提出するとともに、契約書記載の家賃の半額が会社負担となり、半額については、給与から控除されているので、給料明細の記載で補充説明をしています。
養育費合意と自己破産
離婚した妻との間では、子がいました。
離婚後、口約束で、養育費を毎月支払うことになっていました。
数年前までは支払をしていたのですが、相手も再婚したからか、養育費を払わなくて良いので面会交流もしないように言われ、口頭での合意をしたとのこと。
それ以降は、養育費の支払をしていません。
数年前にそのようなやりとりがあったことから、未払の養育費はないものとして自己破産の申立をしています。
退職金のポイント制
自己破産では、退職金見込額も提出します。
このうち8分の1の相当額が20万円を上回る場合には、破産財団に組み入れるのが神奈川県の運用です。
退職金についてポイント制を採用している会社も多いです。
金額の証明書がもらえない場合には、ポイントの計算をする必要があります。
今回の事例では、退職金付与ポイントを1ポイント当たり1000円として換算して算出。
給与明細によると、その年度の退職金付与ポイント数や、前年度までの累積ポイント数の記載があったので、そこから計算式を記載して報告書にまとめています。
退職金見込み額は90万円となり、8分の1評価額は低かったため、破産財団に組み入れずに進めています。
管財手続で免責許可
ギャンブルと、詐欺被害の内容から、管財手続となりました。
破産管財人との面談で事情を説明し、裁判所での債権者集会が1回開かれ、終了となりました。
免責調査の結果、破産管財人からは裁量免責が相当との意見が出され、裁判所も裁量免責の判断をしています。
詐欺被害、FXを理由とする自己破産相談もあります。ご相談は無料で受け付けています。
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