自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介204 Sさんの事例
50代 /男性 / 会社員
借入の理由:ガールズバー詐欺
神奈川県厚木にお住まいの50代男性のケースです。
ガールズバーの女性にお金をつぎ込んでしまったとのことで、親族から相談に連れてこられました。
この記事は、
- ガールズバー等の女性に借金してお金を渡した
- 家族の自己破産を考えている
という人に役立つ内容です。
ガールズバーでの自己破産
もともと消費者金融から借入金がありました。
自動車のパーツやオーディオに使用していたとのことで、一時的な取引でした。
数年前、ガールズバーに行った際、接客担当となった女性店員に好意を抱いたそうです。
女性店員に会うため定期的にガールズバーに通いますが、手持ち資金がない場合には、アイフルなどの消費者金融からの借入れで賄うようになります。
さらに、別の消費者金融との取引も開始。
女性店員が金に困っているとのことで、女性に対する援助に遣ったり、ガールズバーの料金の支払に遣ったりするようになります。
退職金も女性に援助
その後、職場を退職し、退職金200万円を受給。
女性店員が「学費を支払うことができない」とのことで、将来的に同棲するという話も出ていたため、退職金も女性に対する援助につかってしまいます。
さらに、加入していた生命保険から契約者貸付を受けた計100万円についても、援助に遣ってしまいます。
女性とは連絡が取れなくなる
女性店員がガールズバーに出勤しないようになり、連絡もとることができないようになってしまいます。
転職先も退職。
女性店員から金蔓として利用されていたことが分かり、その精神的痛手から、人間不信になり、自宅に引き籠るようになってしまいます。
無職となり収入もなくなったため、返済は放置するように。
引き籠もりの状態を危惧した親族に連れられて、弁護士事務所に来所し、まずは借金を整理して、生活を立て直すという方針のもと、自己破産を依頼という経緯でした。
女性への援助により自己破産
このようにガールズバーで出会った女性、風俗嬢、SNSで知り合った女性に対して、援助目的でお金を渡し、連絡が取れなくなってしまうケースは多いです。
そもそも相手の身元が分かっていない事例も多いですし、判明していても、回収ができない事例も多いです。
援助ではなく、貸付金や投資名目でお金を渡している事例もあります。
そのような場合には、回収可能性によって、破産手続きでも財産と認定されます。
もともと、渡した趣旨が援助となると、贈与なので撤回はできない、回収できないのが原則です。
援助の趣旨自体に、虚言等があり、詐欺などの理論構成ができる場合には、理論的には取り消したり、違法行為だとして損害賠償請求ができるケースもあります。また、直近での贈与であり、相手の連絡先がわかるのであれば、破産管財人による否認による取り戻しが検討されます。
いずれにしても、借金してまで、第三者に援助している場合には、浪費ではないかとして免責不許可事由の問題が出てきます。
退職金の使途
自己破産では、過去2年以内に処分した財産については詳細を報告する必要があります。
退職金を受領し、これを使ったのであれば、どのような使い方をしたのか説明が必要です。
退職金のように大きな金額の場合には、2年経過していても、使い方を問われることが多く、過去の預金明細を取り寄せ、客観的な数字をチェックしながら説明する必要があります。
アイフルの過払い金
当初から利用していた消費者金融のアイフルには過払い金がありました。
取引履歴を取り寄せ、利息制限法による計算をすると、すでに借金はなく、逆に戻ってくるという状態でした。
他社の借金はあるため、自己破産はやむを得ないところですが、破産管財人の費用も準備できないため、過払い金の回収を先行しました。
自己破産申立に先立ち,アイフル株式会社に対して訴訟提起のうえ、過払金38万円を回収。
ここから、管財予納金を含む自己破産申立費用を捻出しています。
アイフルとの訴訟は計4回にわたって期日が開かれ、訴訟提起から過払金回収まで半年以上を要したたため、自己破産申立てまで時間がかかってしまっています。
アイフルは過払い金の請求をしても回収に時間がかかる消費者金融です。
女性への援助と浪費
このようにガールズバー等で出会った女性に金銭を援助してしまう行為は、自己破産の際に免責不許可事由とされることもあります。
破産法では、浪費が免責不許可事由とされています。
女性への援助は、本来、義務ではない行為で、財産を減らしていることになります。
詐欺に近い内容でも、浪費であるとされることが多いです。
自己破産では、免責不許可事由があっても、裁判官の裁量免責により借金がなくなることがほとんどです。
そのため、これを狙っての自己破産申立となります。
ただ、免責不許可事由の程度がひどい場合には、破産管財人の調査が必要とされます。管財手続によって、破産管財人から免責調査報告書を提出させ、その意見を聞いたうえで、裁量免責とする事例が多いです。
本件でも、そのような管財手続で進められています。
破産管財人の免責調査
破産管財人が選ばれた後、破産管財人と面談します。
一般的な説明がされた後、事情の確認が入ります。
支出について、同情の余地があるかどうか、再発の危険性などの確認です。
女性への支出は、浪費とされました。
浪費、ギャンブルなどがある免責調査型の事件では、反省文の提出を求められることも多いです。
女性への支出でも裁量免責
破産管財人の調査の結果、浪費という免責不許可事由にはなるものの、裁量免責が相当という意見でした。
破産管財人の意見がこのようなものでしたので、裁判官もこれを尊重し、裁量免責が許可されました。
これにより、自己破産の目的は達成され、借金の支払い義務はなくなりました。
女性への援助による浪費など免責不許可事由がある自己破産相談も受け付けております。ご相談は無料で受け付けています。
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