自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介203 Sさんの事例
20代 /男性 / 会社員
借入の理由:オンラインカジノ
神奈川県厚木にお住まいの30代男性のケースです。
オンラインカジノで借金をしてしまったとの相談でした。エポスカード、アコムなどに380万円の債務があるということで免責不許可事由が問題になりました。
この記事は、
- オンラインカジノで借金してしまった
- ギャンブル借金で自己破産を考えている
という人に役立つ内容です。
オンラインカジノでの自己破産
オンラインカジノでの多額の利用が認められました。
クレジットカード明細にもオンラインカジノ利用の決済代行業者への送金記録が載っており、多額の利用が確認されていました。
その事情について確認すると、結婚後、夫婦での家計管理が変わり、家に生活費を多く入れなければならなくなってしまったことがきっかけとのことでした。
小遣い制などにより、外食費などの自由に使えるお金が減ってしまったものです。
そこで、お金が足りないと言い出せず、オンラインカジノで増やせれば、自由なお金が増えると考えてしまい、オンラインカジノを利用するようになりました。
カード決済でオンラインカジノ利用
当初はオンラインカジノで使う金額は現金で払っていたそうです。
しかし、その後、クレジットカードを利用するようになり、金銭感覚が麻痺してしまい、毎月数十万円の利用をすることが出てしまいました。
勝つときは月に50万円以上の入金があったのですが、徐々に負けてしまい、カードでの支払いに追われるようになってしまいました。
ビギナーズラックや運の要素で一時的には利益が出るものの、構造上、長期間、そのような利益は出にくいものです。
特にギャンブルでは、胴元の利益が先に引かれている仕組みのため、長い間、続けていると、徐々に負けやすくなってしまうのです。
期待値について確認した方が良いでしょう。
オンラインカジノのため追加で借金
利用していたクレジットカードでの返済が厳しくなり、アコムなどの消費者金融から追加で借り入れをして、返済にあてるような状態が続きました。
元々がオンラインカジノで負けやすい状態にあったのに、さらに、消費者金融での高金利の借金を負担しています。
より損失を負いやすい状態になっています。
借金をして投資をする方法でも高金利の借金では負けやすいものです。ギャンブルであれば、なおさら損失を負いやすいことは明らかです。
任意整理でもギャンブル
その後、返済が厳しくなり、弁護士に任意整理を依頼しました。
任意整理は1社1社と交渉をして、将来の利息はかからない形で借金を分割払いにする制度です。
将来の利息をカットしてもらえれば、トータルの支払い額は安くなります。
また、取引内容や相手の業者によっては、長期間の分割払いの和解ができることも多く、毎月の支払い額も下げられることが多いです。
このような任意整理をし、毎月の支払いを開始して解決できたかと思いきや、オンラインカジノの利用を現金でしてしまったそうです。
ギャンブル依存症のような状態です。
オンラインカジノの利用を続けていたため、毎月の収支がギリギリであったところ、家賃の更新が発生してしまい、任意整理での支払いができなくなってしまいました。
それまで、車のリースを使い続けたり、妻には秘密で進めたいと考えていて、任意整理で進めていたのですが、限界だと考え、自己破産手続を希望して、相談に来たという経緯です。
借金の理由がほぼギャンブルという事情でした。
オンラインカジノと裁量免責意見
オンラインカジノを含め、ギャンブルで借金を過大にしてしまった、財産を著しく減らしてしまったことは、破産法上の免責不許可事由になります。
このような免責不許可事由があっても、裁判官の裁量で免責許可がされることが多いです。裁量免責を狙った自己破産申立となります。
この場合、申立段階で弁護士が裁量免責が相当である事情を説明します。
その後、破産裁判所で、裁量免責を出して良いか、または破産管財人を選任して免責調査をするべきか検討することになります。
弁護士としての意見は以下のような主張をしています。
オンラインカジノによる支出は多額の損失を出しており、免責不許可事由に該当するものと認められます。
申立人が、カジノ支出をするようになった原因は、妻の出産に伴う失職により、家計管理が変わり、自身の自由になるお金が少なくなったことが原因でした。
その後、申立人は任意整理をするも、自身の管理できるお金のみで問題を解決しようとしたところ、これがうまく行かなかったために、オンラインカジノを利用し続けてしまったものです。
しかし、今回の申立においては、妻に債務状況等を説明し、妻の理解を得たうえで進めることとなりました。
妻からも、家計管理において、申立人の外出先での支出を必要以上に削減するようなことはせず、家計収支について協議できる態勢ができており、今後、同様の問題は発生しにくい状態になっています。
今回の事例では、このような原因の特定と対策が取られている点に着目しています。
自己破産での反省文
自己破産の申立時には、同時廃止手続という簡単な手続と管財手続があります。
同時廃止の方が負担が少ないことが多いので、同時廃止で自己破産の申立をしたものの、免責不許可事由について調査の必要があると裁判所の判断で管財手続にされることがあります。
この振り分けをするかどうか、裁判所が反省文をみて決めることがあります。この場合、早期に反省文を提出しなければなりません。
今回のケースでも、同様の指示があり、反省文を作成しています。提出期限は2週間とされています。
内容として、当初の借金の経緯を再確認し、ギャンブルに手を出してしまったきっかけを振り返っています。
当時は借金の額もそれほど多くなかったため、すぐに返せるだろうとあまり深く考えていませんでした。
借金でギャンブルをする際も、この時には最悪足りなければカードを使えばいいやとカードに対する抵抗が無くなってきていたと思いますと、過去の分析をしています。
子育てのプレッシャーと借金返済に対する不安や焦りで使った分はギャンブルで取り戻せば良いと安易に考えてオンラインカジノにも手を出すようになってしまったことを反省しています。
任意整理中のカジノについても、家賃の更新があり、まとまったお金もなく支払いが出来ないことを知りここだけ乗り越えればなんとかなるとまたギャンブルをしてしまった後悔を綴っています。
精神的にみても借金が無いとこんなにも余裕があるものなのだと再確認できたという現在の気持ちを書いています。
自己破産での反省文の書き方
最終的な反省文は、手書きで作成したほうが良いでしょう。
もちろん、パソコン全盛期なので、手書きに意味があるのかと感じる人もいますが、手書き派が多数です。
裁判所に提出する書類のなかで、民事裁判の陳述書などは、本文がパソコンで作られ署名のみ手書きにする方法が主流です。陳述書までいかない本人の意見書などは手書きのものをそのまま証拠提出することもあります。
民事裁判の裁判官の中には、陳述書の証拠提出とその後の本人尋問を見て、陳述書は弁護士が作文しすぎてないか、と感じている人も多いはずです。民事裁判にかぎらず、刑事裁判での警察や検察官による供述調書と被告人質問でも同じです。
このように裁判官は、パソコンで作成された書類に、若干の疑問を持つ可能性があります。意識していなくても潜在意識でそのように考える可能性が高いと考えます。
そのため、手書きの方が良いのではないかと考えます。
反省文と弁護士事務所の対応
裁判所から反省文を指示された場合の対応については、弁護士によって違うでしょう。
ジン法律事務所弁護士法人では、代理で作成することも、本人に任せきりにすることもしません。
基本的には、まず本人にパソコンなどで、下書きをしてもらいます。
その後、内容をチェックして、アドバイスをする、それを反映させたうえで、最終的には手書きで清書してもらいます。
必要であれば、打ち合わせを入れることもあります。
反省文と言われて、全く書き方もイメージもできない人は多いです。刑事事件などでもそうです。
しかし、弁護士側で誘導しすぎると本人のためにもなりません。
自己破産をすることで反省しているのはもちろんなのですが、文章を書くという、普段やらない作業に落とし込むことで、インパクトになるのは間違いないでしょう。
そのため、これくらいのスタンスで関わるのがベストだと判断しています。
自己破産での反省文の用紙等
手書きで書く場合に、用紙などの質問をされることがあります。
これは特に指定・制限はありません。
便箋を使うことが多いようですが、白紙のコピー用紙などでも構いません。
相手に対する手紙でもないので、白紙でも良いです。ただ、線などがないと、斜めになって読みにくくなることもあります。そのような点が不安ならば、便箋やレポート用紙を使えば良いでしょう。
稀に、原稿用紙で書いてくる人もいます。
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