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 Tさんの事例

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40代 / 男性 / 会社員

借入の理由:自動車ローン、医療費


秦野市にお住まいの40代男性のケースです。

過去に個人再生をしたものの、借金をしてしまい、今度は自己破産をできないかとの相談でした。

この記事は、

  • 個人再生後の自己破産を考えている
  • 秦野市で自己破産を検討している人

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2022.2.1

 

個人再生後の自己破産

過去に個人再生を使ったことがあるとのことでした。

10年以上前に、個人再生手続で借金を減額したとのことです。

当時、トラックの運転手をしていたのですが、修理費が自己負担になるなどして生活費が足りずに借金をしたことなどが原因でした。

この手続き後、しばらくは借金をせず、今の仕事の収入で生活をすることができていました。

 

個人再生後にETC目的でカード作成

個人再生から数年後にクレジットカードを作ってしまいました。

当時の仕事も物流関係でガソリン代やETC代をカード払いにしたいと考えて申し込んだところ、審査が通ったので作ったカードでした。

信用情報機関に登録される官報掲載情報は5年とされています。期間経過後のカード審査では、官報情報は確認されないことになります。このタイミングでクレジットカードを作れることも多いです。

 

ここから、日常的な生活費、ショッピングに利用し始めてしまいます。

当初は、自分の収入で十分払える少額の支払だったり、立替えているお金だったりしたので、問題なく払えていました。

 


妻の病気で借金

しかし、妻の病気による費用がかかってきます。

気分変調症と診断された精神病で、障害認定もされました。


いろいろな病院に連れて行って、症状を改善しようとしましたが、なかなかうまくいかず、費用がかかり続けていました。その支払のために借入もするなどして、何枚ものカードを持つようになってしまいました。借金に対する不安もあったのですが、妻の症状をよくしたいという考えを優先してしまいました。


妻の病気で、生活費の負担が大きくなったほか、連れ子の養育費もかかることになり、借り入れによって補いました。

 

車の買い換えによる自動車ローン

その後、車が壊れてしまったので、修理代をかけて修理しましたが、すぐに壊れてしまいました。

やむを得ず、トヨタファイナンスで200万円のローンを組んで車を購入。

当時の収入からすれば、何とか払えると考えた金額でした。

しかし、その後、妻がもっと大きい車に乗りたいと言うようになりました。

妻の症状が少しでも和らげばと思い、買って間もない車を下取りにし、ローンを組んで買い換えられるか審査の申し込みをしました。カードローンもあったので、ローンは通らないだろうと思って妻の要望に応じて申し込んだところ通ってしまい、車の買い換えは実行するしかなく、ローン額が増えてしまいました。

 

自分の医療費で借金増額

車のローンが通った直後、相談者自身が、大腸がんを患い治療費がかさむように。

傷病手当は出たのですが、手取収入は減ってしまい、治療費も高額だったため、抗がん剤治療や入院費用などのために各カードで借り入れを増やしました。

支出だけで、1年間で80万円程度はかかってしまった記憶です。

さらに、今後の治療についても、あと2年半は通院治療が必要と言われてしまっています。
大腸がんの治療後、仕事に復帰する際に、それまでの借金をまとめようとイオン銀行で借り入れをしましたが、借金を完済できるほどは借りられませんでした。

 

パチンコでの自己破産

その後、妻の症状がさらに悪化するなどして、家に帰りたくないと思うようになってしまい、10年以上前にしていたパチンコを久しぶりに始めてしまいました。

パチンコのようなギャンブルで借金を増やしたり財産を減らす行為は、自己破産では免責不許可事由とされます。

よほどの額でなければ、裁判官の裁量免責が許可されますが、自己破産手続きが同時廃止ではなく、破産管財人が選任される手続とされ、負担が増えやすくなる事情です。


多いときには1ヵ月で20万円以上を使うようになってしまいました。パチンコに使った総額は半年間で150万円程度。

 

さらに適応障害の診断

胃腸の調子が悪く、病院に何度も言ったところ、精神科の受診を勧められ、適応障害と診断されてしまいました。

職場にも相談し、家の近くで働けるようにしてもらったものの、手取月収が10万円程度減ってしまい家計が成り立たなくなってしまいました。

パチンコ等もあることから、個人再生の相談をするも、家計状況では余力がなく、家族を含めた病気のことを考えると個人再生の要件である履行可能性は認められないと言われてしまったとのことです。

そこで、自己破産を進めることになりました。

 

自己破産と給与明細のチェック

自己破産では、給与明細の提出が必要です。

実際の収入資料としての意味だけでなく、財産・債務のチェックの意味があります。

職場からの借入の場合、給与から返済額が控除されているかどうかチェックされます。

給与からの団体保険等の支払、財形貯蓄、社内預金、従業員持株会の控除等があれば、それが財産にならないか、なるとしたらいくらなのかを補足説明する必要が出てきます。

今回のケースでは、共済会費や会費として引かれている100円、300円の控除がありました。これは、会社の親睦会などの際に援助がされるもので、脱退はできず、退職してもお金が戻ってくるというものではありませんでしたので、その旨の報告をしています。

同様に福利厚生費などが引かれていることもあるので、そのあたりの報告が必要です。

 

家族から借りている車

相談者が持っていた車はローンを止めたことで引き上げられました。

妻の通院等に車が必要なので、父から車を借りているとのことでした。

この場合、家計の支出にガソリン代等が計上されるため、自分の車ではないことを示す資料として車検証の写しを提出します。

過去にも個人再生という法的な借金整理をおこなったうえで、再度の借金、しかも、ギャンブルもあったという内容ではありましたが、家族・自身の病気という点も考慮され、無事に免責許可が出ています。

個人再生後のやむを得ない自己破産相談も受け付けております。ご相談は無料で受け付けています。

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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