自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介180 Kさんの事例
40代 / 女性 / 生活保護
借入の理由:無職
神奈川県座間市にお住まいの40代女性のケースです。
少額の借金でしたが、生活保護を受けており、督促が頻繁に来るため、自己破産を希望しているとのことでした。
この記事は、
- 座間市で自己破産を検討している
- 生活保護受給中、借金がある
という人に役立つ内容です。
30万円の借金での自己破産
借金は、30万円程度。
債権回収会社1社のみという状態でした。
パルティール債権回収株式会社のみが債権者でした。もともとは楽天カードの借金でしたが、債権譲渡をされ、現在は、パルティール債権回収が債権を持っていました。
相談者は、生活保護を受給。生活保護からの借金返済は認められないため、法テラスを通じて自己破産を検討しているとのことでした。
話を聞くと、病気もあり、すぐに生活保護から抜け出せる見込みは乏しい状態でした。
パルティール債権回収は、生活保護であっても、債権放棄は難しく、多少でも払ってほしいとの態度でした。
少額の債務で、債権者も少ないため、何とか債権放棄で対応してもらいたいところでしたが、強制できるものではありません。債権者が応じない以上、支払義務があり、払えないため自己破産の要件を満たすことになります。
自己破産の支払不能とは
自己破産の要件としては、支払不能というものがあります。
収入や財産から借金を払えないことが要件になります。
生活保護から借金を返済することは認められていないため、生活保護を受給している場合、少額の借金であっても自己破産は認められることがほとんどです。
生活保護でも仕事をしていたりして、抜け出せる見込みがある場合ならともかく、仕事ができないような状態の場合には、生活保護から抜け出せる見込みがなく、借金を払える見込みもないことになります。
このような場合には、少額の借金でも自己破産は認められます。
生活保護の自己破産は金銭的負担なし
生活保護を受けている場合の自己破産は、弁護士費用について法テラスを利用します。
本来は、法テラスは、費用の立替え払い制度に過ぎないので、破産者は法テラスに長期間の分割払いで費用を払います。しかし、生活保護を受給している場合は、この支払が保留とされます。
法テラスの申込時と、自己破産手続きで免責許可が出て、法テラスの終了報告時でも生活保護を受けている場合には、支払が保留のままとなり、最終的には免除されます。
また、法テラス事件でも、裁判所に払う官報予納金は自己負担となり、法テラスへの支払以外に準備しなければなりません。管財事件でなければ、1万2000円弱です。
生活保護を受給し、法テラスを利用しての自己破産の場合には、この官報費用も法テラスから援助されます。そのため、自己負担額なしで、自己破産を進められることになります。
生活保護の自己破産と管財手続き
自己破産では、簡単に終了する同時廃止手続きと、破産管財人が選ばれる管財手続きがあります。
大きな違いとして、管財手続きの方が費用が高くなります。
破産管財人の費用として20万円程度の予納金を別途準備する必要があるからです。
法テラスを利用した自己破産事件でも、この予納金は法テラスの支払とは別に負担する必要があります。
しかし、生活保護受給者の場合には、これも法テラスから援助を受けられます。
そのため、管財手続きとなっても、自己負担額はゼロのままなのです。
管財手続きに回される2つのケース
管財手続きとされる場合には、大きく2つあります。財産がある場合と免責の調査が必要な場合です。
生活保護の場合には、財産はないので、後者も免責調査の場合に管財手続きとなることがあります。
免責調査とは、ギャンブル、浪費等の免責不許可事由がある場合、許可して良いか破産管財人を選び調べるものです。
免責不許可事由の中で、2回めの自己破産という場合、7年以内であれば免責不許可事由となります。
7年が過ぎている場合、それだけでは免責不許可事由になりませんが、過去の自己破産歴も申告させる運用がとられており、過去の自己破産との違いなどを説明する必要があります。2回めの自己破産で、今回の自己破産に免責不許可事由があると、管財手続きとなるリスクが高まります。
2回めの自己破産
今回のケースでは、2回めの自己破産とのことでした。ただし、7年は過ぎています。
そこで、借入理由、経緯などが重要になってきます。
過去の自己破産理由
過去に結婚し、夫には月に20万円前後の収入がありました。自身も基本的には派遣などの仕事をしていました。
そのような中で1回めの自己破産がありますた。
親に頼まれて借金をしたのがきっかけでした。
夫が病気に、自身も医療費の支出が増え、収入が減ってしまったため、借金や自動車学校に通ったローンが払えなくなってしまって、自己破産手続きをしたとのことでした。
自己破産後の借金の経緯
その後、倉庫内作業などの仕事で月収15万円程度があり、夫も仕事をしていたので、収入の範囲内で生活ができていました。
しかし、数年前、病気により、仕事が続けられなくなり、2年ほど休養。その間も、夫の収入でなんとか生活ができていました。
その後は仕事に就いたり、体調が悪くなり退職し、少し休んで、また仕事に就くなどしていました。
再度のカード利用は、楽天カードでした。
生活自体はできていたものの、アパートの更新料の支払い資金がなく、楽天カードに申し込みをし、キャッシングで補ったとのことでした。これを機に、日用品の購入などの決済に、楽天カードを利用しはじめました。
返済のためにも仕事を続けようと頑張ったのですが、症状が悪化。医者から仕事を辞めて治療に専念すべきと言われました。
返済については、夫の収入で家計をやりくりし、何とか続けていました。
しかし、夫が病気で入院。
手術をしたものの、別の病気により亡くなってしまいました。収入が途絶えてしまい、役所に相談し、生活保護を受給するようになりました。ここで返済も止めました。
債権者からの督促に怯える
返済が止まり、債権は楽天カードからパルティール債権回収に譲渡されました。
債権回収会社に対しては、生活保護受給証明書を送るなどして待ってもらっていたのですが、いつから働けるのかという連絡が頻繁に来るようになりました。
医者と相談しながら治療を進めていましたが、復職の見込みは立たず、債権者からの連絡が来るだけで怖くなってしまい、弁護士に相談という経緯でした。
2回めの自己破産ではありますが、借入自体も、返済できなくなってしまった原因もやむを得ないところです。
住居保険の解約返戻金
生活保護を受けているため、財産の審査は問題ありません。
ただ、自宅の賃貸借契約の際に住宅総合保険などに加入していることもあります。
この場合、一応、解約返戻金の算定をしておきます。
保険の解約返戻金について、賃貸入居者総合保険の解約返戻金の計算方法は、約款に記載されていることがほとんどです。約款に基づき計算をし、残存期間の返戻金を一応報告しておきます。
たとえば、返還保険料:
(17,000円-2,000円)×{(24-9)/24}=9,375円
というような報告書を提出します。
新型コロナウイルス蔓延時の審尋省略
座間市にお住まいでしたので、自己破産の申立ては、横浜地方裁判所相模原支部にしています。
経緯についても問題ないということで、審尋期日も指定されずに、書面のみで免責許可が出ています。
病気の影響で、裁判所への出頭を非常に心配していたので、省略されてよかったです。
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