自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介179 Mさんの事例
50代 / 女性 / 派遣社員
借入の理由:離婚、医療費
大和市にお住まいの50代女性のケースです。
ほとんどが医療費による借金という内容でした。借金額はそこまで大きくないものの、体調などから自己破産を希望しているとの相談でした。
この記事は、
- 大和市で自己破産を検討している
- 病気を理由に借金が膨らんだ
という人に役立つ内容です。
100万円台の借金での自己破産
借金を支払えないとして相談に来ましたが、負債総額は約160万円。
仕事をしている自己破産希望者の借金額としては、比較的少ない金額帯です。
自己破産では、「支払不能」という要件があります。
借金が払えないから破産が認められるという関係です。
収入や財産、借金額から払えるのであれば、自己破産は認められないことになります。
自己破産はいくらから
いくらくらいの借金があれば自己破産ができるのかというと、これはその人の事情によって違います。
生活保護収入の場合には、数十万円でも認められます。
安定した職業に就いている場合には、100万円台の借金では払えるのではないかと指摘されることも多いです。
今回の相談者の場合には、派遣社員収入があり、アルバイトを併用して生活を成り立たせていたことや、病気等もあったことから無理して働くことができない環境にありました。
親族の援助も受けられないことから、100万円台の借金であっても、任意整理や個人再生など他の債務整理方法では払えなくなる可能性が高いと見込まれました。そこで、自己破産の申立てを進めています。
病気によって仕事ができないというケースでは、若い女性などでも100万円前後の借金で自己破産が認められる事例はあります。
自己破産に至る経緯の説明が大事
自己破産では、借金の理由が重視されます。
借金の理由に、浪費やギャンブルなどの免責不許可事由があったのではないかと調査する必要があるからです。
当時の収入、財産からして、過度な借入をしている場合には、浪費を疑われるという事情です。
ただ、今回のケースでは、主に医療費による借入だったため、借入の経緯は問題視されませんでした。
生活環境も厳しかったことが認められました。
結婚・出産したものの、夫と性格の不一致により別居。
子を連れて家を出ました。賃貸物件を借りました。
当時の仕事は派遣のコールセンターで、給料は10万円前後でした。婚姻費用の支払もあったのですが、生活費に不足し、食費等の生活費をクレジットカードで支払いをしていました。
医療費による借金で自己破産に
その翌年、急に歩けなくなり、2か月仕事に行けなくなりました。その後、病院に行くと、脊柱管狭窄症と言われ、仕事も半年ほど行ったり、休んだりを繰り返すこととなりました。
ベルーナで30万円の借り入れをするなどして、生活費にあてました。
その年に、糖尿病による網膜症も発症。糖尿病の治療のため2週間の入院。その支払いにクレジットカードを使い分割で支払いました。
さらに、手術などもあり、借金で医療費を支払う状況に。
その後、数年間、派遣の仕事で日払いの給料をもらって返済を続けていたのですが、体調が悪く寝込むことなどもあり、仕事も長くは続けられませんでした。離婚も成立していなかったので、母子家庭の補助もなく、金銭的にも体調的にも辛い状態が続いていました。
体調不良が続いていたのですが、医療費も払えず、あまり通院していませんでした。
久しぶりに病院に行くと「透析をしないと死ぬ」とまで言われ、入院し、透析治療を受けることに。
腎臓機能障害で身体障害の認定がされ、その後は、医療費負担がなくなり、返済を続けてきました。
しかし、透析を続けながら債務を返済できるほどの収入を得ることは難しく、自己破産するしかないと考えて相談に来たという経緯でした。
人工透析を受けている関係で、特定の曜日を休まれると困ると言われ正社員の仕事には就けない状態とのことでした。派遣会社を通じてでないと仕事が見つからない状態であり、不安定な収入を前提にするしかない状態でした。
糖尿病による支払不能で自己破産
自己破産の相談の中でも、糖尿病の話はよく聞きます。
比較的発症しやすいもので、生活に与える影響も大きいためでしょう。
透析治療となると、仕事への影響も大きく、稼働時間も制限されます。
今回の相談者のように、派遣など、稼働時間に応じて収入を得られる仕事の場合には、そのまま収入減少につながってしまいやすく、生活が成り立たなくなることも多いです。
若いうちから、糖尿病の知識は持っていた方がいいです。
自己破産申立が遅れた理由
横浜地方裁判所では、受任通知によって支払を止めた後、半年程度で申立てができなかった場合には説明を求められます。
神奈川県内の他の裁判所でも、1年程度、申立てに時間がかかってしまった場合には、説明を求められることが多いです。
自己破産の流れとしては、弁護士に依頼後、受任通知により支払を止め、必要書類を準備して、打ち合わせをして申立書類を作成、裁判所に申し立てをするという流れです。
受任通知で支払を止めたのであれば、早めに申立てをしなければならないということです。
遅れたことも一つの理由として、管財手続きに回されることもあります。
今回のケースでも、申立てまでに時間がかかってしまっています。書類の準備は少しずつ進めていたのですが、仕事の関係で時間を作れなかったり、体調不良が続いたり、打ち合わせ日に発熱があるなどして、なかなか準備を進めることができなかった旨を説明しています。
新型コロナウイルス蔓延時の免責審尋省略
大和市にお住まいでしたので、自己破産の申立ては、横浜地方裁判所にしています。
横浜地方裁判所では、免責審尋を集団で実施していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、省略される時期も増えていました。
今回のケースでも、このような時期だったため、免責審尋は省略され、裁判所に行かずに手続きを進めています。
人工透析を受けている場合だど、特定の曜日に裁判所に行くのが難しいことも多いため、省略された方が相談者の負担は減ります。
免責不許可事由も認められなかったため、免責の許可は問題なく出ています。
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