自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介174 Aさんの事例
50代 / 男性 / 会社員
借入の理由:住宅ローン
愛甲郡愛川町にお住まいの50代男性のケースです。
住宅ローンの支払が難しくなり、競売、民事訴訟などを起こされた人の自己破産相談がありました。
住宅ローンが払えなくなった場合の流れを具体的に解説します。
この記事は、
- 住宅ローンが払えなくなった
- 住宅ローンを止めた場合の流れを知りたい
という人に役立つ内容です。
住宅ローン破産
住宅ローンが払えなくなり自己破産という住宅ローン破産の事例です。
借金癖やクレジットカード利用などがあるわけでもなく、債権者も住宅ローンのみという典型的な住宅ローン破産でした。
住宅ローンは多額の借り入れのため、これが払えなくなった際には、最終的に自己破産などをするしかなくなることがほとんどです。
住宅ローンの支払停止後、実際に、どの程度の期間で、どのような手続きがされるのか、債権者側の動きが参考になるでしょう。
横浜銀行の住宅ローン
住宅ローンを組んでマンションを購入したものでした。
もともとの住宅ローンは、横浜銀行で組んでいました。約1600万円というローン額です。
住宅ローンの金額としては、そこまで高くない金額であり、無理がないローンの組み方といえるでしょう。
住宅ローン支払停止、保証会社へ代位弁済
離婚を含めた家族関係の変更もあり、住宅ローン契約から約13年後、支払ができなくなってしまいます。
住宅ローンの返済が何回か止まると、銀行は、期限の利益を喪失させます。
期限の利益とは、分割払いにできる利益のことです。期限の利益を喪失すると、分割払いができなくなるので、一括請求されるというものです。
住宅ローン契約書には、様々な理由で、期限の利益を喪失すると書かれています。
その中でも、返済を数回怠ったことで、期限の利益を喪失すると書かれていることが多く、返済ができなくなると、一括請求されてしまうものです。
今回のケースでは、滞納が6ヶ月続いたタイミングで、期限の利益を喪失させています。
その後、住宅ローンの権利は、保証会社に移っています。これを代位弁済と呼びます。払えなくなった住宅ローンの権利を最後まで銀行が持つことはほとんどなく、保証会社に移ります。
横浜銀行の場合、横浜信用保証株式会社が保証会社となっていることが多く、今回も、横浜信用保証による代位弁済がされています。
代位弁済されても、何とか自宅を維持したいという場合には、個人再生の巻き戻しという救済方法が残されています。
保証会社による競売申立
住宅ローンが払えなくなった場合、住宅ローンは自宅を担保にとっています。自宅を売却し、そこから優先的に返済を受けられる権利を持っています。
この売却方法としては、債務者が主導的に進める任意売却と、債権者が裁判所に申し立てをして競りにかける競売があります。
債権者としては、少しでも高く売れ、裁判所への申立費用もかからない任意売却を希望することが多いです。ただ、債務者側の動きが遅かったり、連絡が取れないなどの場合には、早期に競売申立をすることが多いです。
今回も、連絡を取っていなかったため、競売申立がされました。
代位弁済から約9ヶ月後、競売は終わり、不動産は売却されました。
売却代金から住宅ローンの返済がされましたが、それでも400万円以上の借金が残ってしまいました。
なお、競売が始まっても直ちに退去しなければならないわけではなく、売却までは居住もできます。
保証会社から債権回収会社へ債権譲渡
競売終了から約半年後、住宅ローン債権は、債権回収会社に債権譲渡されました。
保証会社がもっと長い期間、債権を持ち、回収作業を行うこともありますし、このように競売終了後まもなく債権回収会社に譲渡してしまうこともあります。
債権譲渡は、横浜信用保証から日本債権回収株式会社に対して行われています。
延滞から2年も経たずに、住宅ローンの債権は、日本債権回収株式会社に移ったこととなります。
債権回収会社からの住宅ローン請求
競売が終わると、通常は、保証会社や債権回収会社から、残った借金の請求がされます。
通常は、金額が大きくなっており、一括で返済できるものではありません。
債権回収会社と話し合い、毎月、一定金額を支払うということで、事実上、合意をしている人もいます。しかし、完済までの期間が相当長期になり、終わりが見えないことも多いです。
また、債権回収会社から請求を受けた段階で、とても払えないと考えて、自己破産などの申立に動く人も多いです。
今回は、そのタイミングでは特に動きはありませんでした。
債権回収会社から訴訟提起
支払を開始しなければ、債権回収会社としては次の動きをしなければなりません。
競売は終わっているので、残った金額について、民事訴訟を起こしてくることがほとんどです。
裁判所での判決を取得すれば、給料や預金などの財産を差し押さえることができるからです。
ただ、競売後、すぐに民事訴訟に動くかといえば、そのようなことは少なく、一定期間、督促を続けることの方が多いです。競売になっている以上、裁判を起こしても回収可能性が高くないと判断しているものと思われます。
今回は、競売後の債権譲渡から約3年後に民事訴訟が起こされています。
住宅ローンの債権について、消滅時効になってしまってはまずいので、ほとんどの場合、このあたりのタイミングで裁判を起こされることになります。
裁判を起こされたことにより、債務者もまずいと考え、相談、自己破産の選択をしたものです。
外国人の場合の在外資産
今回の相談者は、外国籍であったため、裁判所への自己破産申立て後、在外資産についての報告を求められています。
もっとも、長期間、日本で生活しており、特に在外資産があるような事情も認められなかったことから、報告書の提出のみで足りています。
同時廃止により免責許可
不動産はすでに処理されており、住宅ローン破産であるため、それ以上の調査は必要がないものとされ、管財手続きにはならず、同時廃止手続きで終了しています。
免責不許可事由もなかったことから、免責許可をもらうことができています。
小田原支部での自己破産
愛川町にお住まいでしたので、横浜地方裁判所小田原支部での破産手続きとなりました。
裁判所での裁判官審尋などはなく、書面審査のみで終了、裁判所への出頭はありませんでした。
住宅ローン破産の相談、愛川町にお住まいの方の自己破産相談も受け付けております。ご相談は無料で受け付けています。
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