自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介173 Sさんの事例
30代 / 男性 / アルバイト
借入の理由:バイク購入、家族医療費、コロナ
相模原市にお住まいの30代男性のケースです。
インストラクターとしての事業収入が、新型コロナウイルスの影響で途絶え、支払不能になってしまいました。高額支出もあり、浪費として免責不許可事由の調査があるかどうかがポイントの事件でした。
- 相模原市で自己破産を検討している
- バイクなどの高額支出があり自己破産に不安
という人に役立つ内容です。
新型コロナウイルスでの減収で支払不能
新型コロナウイルスの影響により、収入が減ってしまい、支払不能になったのが自己破産の一番の理由でした。
借金が増えつつも、何とか返済を継続していたものの、自営業収入がほぼなくなり、収入はアルバイトのみに。
持続化給付金による補填や、家族の収入に頼った生活を続けるも、事業は回復せず、支払ができなくなったという事例です。
仕事は、対面型のインストラクター。
教室に所属するものの、従業員としての給料ではなく、売上に応じた事業収入を得られる形。
自営業者として確定申告もしている人でした。
スポーツジム、マッサージなどでも同様の形態は多いです。
このような働き方は、勤務時間に縛られず自由ではあるものの、毎月の固定給が入るわけでもないので、仕事がなくなれば収入は途絶えます。
対面型のインストラクター等の仕事では、緊急事態宣言により、店舗自体が営業を止めたり、顧客離れが進んでいるところも多く、収入がなくなってしまったという人も少なくありません。
持続化給付金による限界
このような自営業者の収入減の救済のため、持続化給付金制度があり、これを利用した人も多いです。
今回のケースでも、全く収入がなくなった時期があったため、その売上補填のため、持続化給付金を受領していました。しかし、これだけでは足りず、資金は底をついてしまいます。
その他、店舗事業者を救済する給付金等もありましたが、依頼者は対象外。
また、救済の融資制度もあったものの、すでに、多額の借金があり、これ以上の借金は返済できないと考え、むしろ、過去の借金を精算するため、自己破産を選択となりました。
新型コロナウイルスの影響がどこまで続くかも不明であり、借金を負ってしまっている人の判断は難しいところです。
自己破産では借金の経緯説明が必要
自己破産では、借金が膨れ上がってしまった経緯の説明を詳細に求められます。
直接的な原因は、新型コロナウイルス蔓延によるものであったとしても、過去の借金理由なども詳しく説明する必要はあります。
今回のケースでは、実家で暮らしていた際にクレジットカードを作成。生活費、食費等の決済手段としてカードを利用していましたが、徐々にリボ払いやキャッシングも利用するようになってしまったという経緯です。
さらに、便利さもあって、銀行等のカードローンも利用するようになっていきました。
過去の相続と自己破産
自己破産の経緯説明の中で、過去に相続があった場合には、相続財産等の説明が必要です。
相続で、相当額の財産を受け取っている場合には、その金額や使途を説明します。また、ご両親などの死亡により、法律的には相続が発生しているのに、財産の遺産分割が済んでいないという場合、現時点で持っている財産とみなされます。
相続財産も、自己破産の際の処分対象になります。未分割の不動産などがあると、その財産を売却し、配当に回す作業が必要になります。原則として、管財手続きとなり、破産管財人が遺産分割の協議等を進めることになります。
そのため、他の相続人にも自己破産の話は伝わります。また、破産管財人と他の相続人との話し合いが長引くと、自己破産手続きが長い間、終わらないことになります。
今回のケースでは、6年前にお父様が亡くなっており、相続がありました。未分割の財産はなかったものの、約100万円の現金を受領していたことから、その使途を説明しています。
当時の借金返済などに回して、借金を減らすこともできていました。
インストラクターとしての転職
以前は給料収入を得ていたものの、数年前にインストラクターとしての仕事をはじめました。
教室を経営している知り合いに頼まれて、はじめたものでした。
収入は思うほど伸びなかったので、アルバイトも並行して始めていました。
家族と同居していたため、月収10万~15万円程度の収入でしたが、やりくりはできていました。
高額支出の説明
そのような中で、浪費と認定されるリスクのある高額支出がありました。
信販会社でローンを組み、バイクを購入していました。購入価格自体は約250万円。
ご自身でも、無理をして購入したところがあるとのことでした。
免責不許可事由の浪費になるかどうかは、当時の収入・財産と比べて過大な支出だったかどうかで判断されます。
お聞きした当時の収入からすると、支出額は高額です。
車やバイクの購入だと高額支出になりがちであるため、浪費として、免責調査型の管財手続きにされることが増えています。
今回のケースでも、価格は高額です。ただ、10年のローンだったので、毎月の支払い額は2万5000円程度。月額支払だけを見れば、何とか払えるともいえる金額でした。
詳しく聞くと、購入の際には、家族にも相談。家族も、一部は、援助してくれると言ってくれ、それをあてにして購入に踏み切ったところもありました。
予想外のメンテナンスコスト
購入後、バイクのローンの返済自体は何とか払えていたのですが、実際にバイクを所有してみると、修繕費や維持費が予想以上にかかることが判明して、家計が厳しくなってしまいました。
高額のバイクだったので、動画をアップするなどして収益化すれば、元が取れるのではないかと考え、行動もしたのですが、カメラが壊れてしまい断念。
結果として、予想以上にお金がかかり、借金を増やしてしまう生活となりました。
外車を含めて、高額な商品は、意外に購入後のメンテナンスコストが高いです。税金等のほか、車検費用も高くつくことが多く、このあたりのメンテナンスコストを考えずに、ローン額だけで決めてしまうと、支払が厳しくなります。
無理してタワマンを買ったりして、多額の管理費・修繕積立金に苦しむのと似たような話です。
家族の医療費支出
苦しいながらも、家族の援助を受けつつ返済を回していたところ、同居していた家族が病気になり、手術が必要で、入退院を繰り返す生活となりました。
医療費や生活費を負担することになりました。
家計収入が大幅に悪化。
ここに、新型コロナウイルスの影響で、インストラクターの仕事が激減という事情があり、自己破産しかないと考えるに至ったとのことでした。
同時廃止により免責許可
自己破産は認められるものの、浪費の部分の裁量免責について、免責調査型の管財手続きにされる可能性も高い事件でした。
しかし、バイクの購入経緯等を詳細に説明したところ、最終的には、破産管財人を選ばず、同時廃止手続きにより免責許可をもらうことができました。
相模原支部での自己破産
相模原にお住まいでしたので、横浜地方裁判所相模原支部での破産手続きとなりました。
新型コロナウイルス蔓延時期での自己破産手続きでしたので、流動的な運用がされていました。
相模原支部では、原則として、裁判官面接が1度は実施され、裁判所への出頭が必要とされていました。一度、面接期日は設定されたものの、書面での質問に対して回答することで、この面接期日も取り消されています。結局、裁判所への出頭はせずに、手続きは終了しています。
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