自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介172 Rさんの事例
40代 / 女性 / パート
借入の理由:教育費、離婚、アコム裁判
秦野市にお住まいの40代女性のケースです。
消費者金融に借金をしていたところ、アコムから裁判を起こされてしまい、自己破産の申立てをしたという事案です。
- アコムの借金で裁判を起こされた
- 借金のことを職場に知られたくない
という人に役立つ内容です。
アコムから裁判を起こされる
アコムの債権は、もともとの消費者金融としてのアコムの借金50万円のほか、三菱UFJ銀行のカードローンを保証していた借金を代位弁済して取得した50万円の約100万円を元金とするものでした。
三菱UFJ銀行のような銀行のカードローンの保証会社に消費者金融がついていることも少なくありません。銀行のカードローンを債務整理しようとすると、保証会社に権利が移り、消費者金融を相手に交渉することになるのです。
裁判を起こされ、裁判所の判決が出てしまうと、財産の差し押さえをされるリスクが出てきます。
裁判所の判決があると差し押さえができるのです。
財産の差し押さえといっても、自宅の動産等を差し押さえることはほとんどありません。
消費者金融による差し押さえは、預金口座の差し押さえか、給料の差し押さえであることがほとんどです。
給料の差し押さえ
給料の差し押さえがされてしまうと、手取り給料が減ります。
給料の全額をもらえないと、生活できなくなるため、給料については差し押さえが禁止されている部分があります。
この差し押さえ禁止部分がどの程度かは、借金か、税金か、養育費等かによって変わります。
一般的な借金で、多くの人の給料帯だと、4分の3が差し押さえ禁止とされています。
そのため、差し押さえをした消費者金融には、4分の1が払われることになります。
手取り給料が4分の3になるわけです。単純計算をすると20万円なら、約15万円になります。
返済が終わるまで、毎月、続きます。
給料の差し押さえは、当然、職場にバレる
給料が差し押さえられた場合には、裁判所から勤務先に差押命令が届きます。
勤務先が、差し押さえ禁止部分以外を、債権者に払わなければなりませんので、その連絡が行くものです。
勤務先としては、当然ながら、どこの消費者金融によって給料が差し押さえられたのか知ることになります。
ここまで行くと、借金のことを職場に隠すのは困難だと言えるでしょう。
給料が差し押さえられた後の自己破産申立て
給料が差し押さえられては生活ができない、支払不能だとして自己破産の申立をすることもあります。
自己破産の手続きが同時廃止か管財手続きかによって違いますが、自己破産が認められることによって、いずれ、給料の差し押さえは取り消されます。
差押えをされた後に、弁護士に依頼しただけでは、取り消されません。裁判所への自己破産申立など手続きを進める必要があります。
債権者が積極的に、差し押さえを取り下げてくれれば良いですが、そうでない場合には、自己破産手続きで取得した決定類を、差し押さえ裁判所に提出するなどして、取り消してもらうことになります。
給料差し押さえが取り消された場合には、取り消したということを勤務先に伝えなければなりません。
そうしないと、差し押さえ分を控除していた勤務先は、それを止めて良くなったということがわからないからです。
この取消決定には、取り消された理由も記載されるため、自己破産などの情報が勤務先に伝わることになります。
勤務先バレ回避なら、差し押さえ前に自己破産申立て
一般的に、給料の差し押さえがされていない状態で、自己破産の申立をする場合、勤務先には発覚しにくいです。
債権者でもなければ、特に連絡が行くことはありません。
もちろん、自己破産では官報に決定が出るため、公開情報にはなりますが、多くの勤務先では、そこまで調査しません。
そのため、自己破産時に、職場バレを心配する必要はそこまでないのですが、このように給料の差し押さえが入ってしまうと話は違ってきます。
このような事態を避けるには、差し押さえられる前に、自己破産の申立てをしてしまうことです。
自己破産申立てによりアコムの裁判は取り下げ
給料の差し押さえは突然されることはほとんどなく、普通は裁判を起こされたという手紙が裁判所から届きます。
民事裁判を起こされ、その手続で判決が出て、初めて給料の差し押さえに動けるわけです。
ここまでには時間がかかります。
差し押さえを避けたければ、裁判を起こされた段階で、裁判対応をするとともに、急いで自己破産の申立をすれば給料の差し押さえを回避することができるでしょう。
一般的に、消費者金融が、自己破産の申立てまでされている事件で、そこから給料の差し押さえに動いてくることはほぼありません。
本件でも、アコムから東京簡易裁判所に裁判を起こされ、自己破産の申立てをしたところ、アコムは訴えを取り下げました。
アコムは、自己破産手続きにも特に異議は出さず、免責についても意見も出していません。
自己破産となった理由
結婚後、子を2人、出産。
結婚後、家計の管理は、すべて夫がしていて、生活費は、その都度、夫に伝えて現金で受け取るなどしていました。
しかし、夫に生活費を求めても、渋られることが増え、食費や日用品の買い物などの費用が不足するように。銀行のカードローンなどを利用し、これを補う生活となりました。
生活費不足の理由はわからなかったのですが、夫がパチンコによく行っていたので、そこで自分の収入を減らしてしまった可能性はあります。また、2人の子が塾に通うようになり、教育費の支出が増えてしまいます。
自分の借金は徐々に増えてしまったのですが、夫も自分名義で借金をしていたことが判明し、このままではいけないと考え、2人で任意整理を検討。
しかし、その後、離婚をすることに。
任意整理が難しくアコムから裁判
別居後、母の援助を受けながら、任意整理を進めようとしたものの、和解がまとまらなかったアコムから、裁判を起こされてしまったという経緯です。
裁判を起こされた後も、何とか分割払いで和解できないか交渉するも、現状の収入や生活状況では、支払余力がなく、自己破産となったものです。
貸金業者の自己破産への態度
アコムに限らず、比較的、裁判を起こしてきやすい消費者金融の動きを見ると、少しでも回収するという態度というよりは、自己破産をしてもらったほうが良いと考えているのではないか、と感じてしまうところもあります。
金銭面だけ見れば、自己破産をされるよりも、多少でも返済を受けたほうが良いはずです。
しかし、アコムなどは、一定の基準を設け、それ以外の条件では任意整理や和解には応じないという態度を取ることが多いです。そうすると、自己破産などの法的手続きしか債務者の選択肢がなくなってしまいます。
借主としては、アコムは自己破産をされるくらいなら、多少払うだけでもメリットがあるから和解に応じてくれるのではないか、と考えるのですが、そうはなりにくいです。
自己破産をされることにより、回収不能が確定するため、そのほうがありがたいと考えている事案もあるのではないでしょうか。
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