自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介169 Sさんの事例
40代 / 女性 / アルバイト
借入の理由:パワーストーン、詐欺被害
厚木市にお住まいの40代女性のケースです。
パワーストーンの多額購入や詐欺被害を理由とする借金とのことでした。
- 浪費で借金を増やしてしまった人
- 占い費用、パワーストーンなどの高額支出がある人
に役立つ内容です。
パワーストーン購入による借金
たまたまパワーストーンの店に立ち寄った際、店員に悩みを相談したところ、パワーストーンを持てば幸せになれる等と言われ、1万円でパワーストーンを購入したのが始まりとのことでした。
その後、同じ店のフェアに行ったところ、店員から「珍しくて滅多に手に入らないので持っていた方がいい。持っていれば幸せになれる」等と言われ高額なパワーストーンの購入を勧められました。
お金がないと言ったところ、店員から消費者金融やクレジットカード等で借りればいいと言われ、しつこく勧誘され、アコムなどから40万円位を借りてパワーストーンを購入しました。
その後も、アコムや銀行でお金を借りてパワーストーンの購入を繰り返してしまい、気づいたら債務が200万円位になっていました。
一貫性の法則による高額支出
占いや宗教的な支出の場合にありがちですが、最初は低い金額での救いを提示し、これを購入した人に対して徐々に金額を上げていく手法があります。
最初から40万円の石を買う人は少ないですが、いちど1万円程度でも支出していると、40万円の支出をしやすくなる人が一定程度います。
人には一貫性という法則があると言われ、過去の行為と整合性がある行動をしてしまいやすくなります。
悪質商法などでは、これが悪用されています。
1度でも、自分は救われると考えて一定の支出をしてしまった場合、その支出を正当化するために、より多くの支出を次にしてしまう法則です。
今回のケースでは、パワーストーンを持てば幸せになれると考えて、まず1万円を支出しています。
次の勧誘で、完全に拒絶することもできたはずですが、そうした場合、過去の1万円の支出は無意味だったと認めることになってしまいます。
これは脳にとって痛みとなります。
そのような痛みを避けるためには、過去の1万円の支出を正当化することが考えられます。
この正当化のためには、パワーストーンを買えば幸せになれるという法則があることを信じれば良いことになります。
この法則を信じるなら、次も購入する必要があるということになります。
このような一貫性があるために、一度買った人は高額支出をしやすくなるのです。
売り手側は、当然ながらそれを考えて、いちど買ってくれた人に対して、より強く勧誘をするわけです。
一貫性の法則を知らないと、借金してまで高額支出をしやすくなってしまいます。
詳しく知りたい方は『影響力の武器』という本をチェックしてみてください。
結婚詐欺被害で債務が増える
借金が200万円程度になってしまったものの、何とか返済を継続。
その後、ネットで知り合った男性と交際を開始。
相手の男性から2人の連絡用に携帯電話が欲しいと言われ、携帯電話2台を契約しました。
相手の男性から結婚しようと言われましたが、男性が無断で携帯電話の決済サービスを利用して10万円以上使い込んでいたことが分かり、別れました。結婚詐欺ではないかとも感じたとのことでした。
詐欺といえるか、単なる杜撰な男性だったのかは経緯確認をしなければ確定できませんが、いずれにせよ、決済費や端末代等の債務を余計に負担することとなってしまいました。
任意整理による解決
借金が膨らんでしまい、弁護士に依頼して任意整理をしました。
任意整理は、1社1社と交渉して、借金を分割払いにしてもらう制度です。
これによって、将来の利息はかからない形になり、返済額は全て借金の元金に充当されることがほとんどです。つまり、借金が減るスピードが早くなるメリットがあります。
逆に、任意整理のデメリットとしては、借り入れができなくなるので、収入の範囲内で、余力から返済することが必要になります。
他のクレジットカードの利用にも制限がかかることが多いので、決済方法は制限される可能性があります。
このような任意整理では、収入の範囲から、返済できるということが前提になっています。
この前提を崩し、無理な任意整理をしてしまうと、返済が長続きしません。
また、任意整理をしても、その前提となる家計の支出と収入が変わってくると返済不可能になります。
家を出ることになり、任意整理の返済不能に
家族と折り合いが悪くなり、やむを得ず一人暮らしを始めました。
実家暮らしに比べて生活費がかかるため、次第に収入が支払いに追い付かなくなり、返済が遅れだしました。
さらに、ケガで仕事を辞めなければならなくなり、返済がまったく出来なくなってしまい、自己破産の相談に来たという経緯です。
任意整理の前提となる支出、収入両方に変更があったケースです。
実家ぐらしの場合には、本来は、支出に余力があるはずです。これを前提に任意整理をする場合には、その期間は、実家から出られないと覚悟しておく必要があります。
それでも、今回のように、仕事ができなくなるという収入が崩れてしまうと、任意整理は難しくなってしまいます。
浪費と不許可事由
自己破産手続では、浪費により過大な債務を負った場合、免責不許可事由になっています。
免責とは、借金の支払いもなくす制度のことです。
免責不許可事由があると、免責不許可になるリスクがあります。
免責不許可になったのでは、自己破産をした意味がないことになります。
ただし、破産法では、免責不許可事由があっても、裁判官の裁量により裁量免責という制度があります。
多くの人は、この裁量免責をもらえています。
今回のケースでは、パワーストーンの購入は浪費であるといえますが、どちらかというと、悪質商法の被害にあっている側面が強いので、そのような点を主張し、免責許可が認められています。
浪費の場合の自己破産のポイントは、当時の収入・財産と支出頻度、支出金額、その内容によって変わってきます。
裁判所が浪費と考えるなかにも、被害者のような構図があることも多いので、そのような場合には、しっかり主張しておくべきといえます。
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