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ケース紹介154 Hさんの事例

30代 / 女性 / アルバイト

借入の理由:夫の借金、任意整理、病気


神奈川県平塚市在住の30代女性のケースです。

任意整理をしたものの、返済ができないとして、自己破産の相談に来ました。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2022.9.17


夫の借金で生活費を借り入れ

結婚し、夫と同居をしていたところ、夫は借金を抱えており、固定資産税の滞納により自宅の差押えも受けるなどしてしまいました。

そのような家計だったので、生活費の不足を賄ったり、日用品を購入したりする目的で、消費者金融から借入れをしたり、アプラスでクレジットカードを作成し使用したりするようになりました。

自己破産の手続きでは、このように、配偶者に借金があることで、家計状況が回らなくなり、生活費不足で、もう1人の配偶者も借金をしてしまうというケースをよく見ます。


本来、相談者は、借金をするような性格ではないものの、配偶者の借金により、自分も借金生活に陥ってしまうという内容です。


配偶者から、「自分は借りられないから借金をしてくれ」と頼まれるケースや、名義を事実上使われてしまっているようなケースで、多重債務になっているケースも見かけます。

夫婦間で、お金の使い方に関する意識が違うと、それだけで、借金生活になってしまうことがあるのです。


結婚相手を見極める際には、マネーリテラシーの相性も確認した方が、借金生活や、離婚確率を下げられるでしょう。


難しいとは思うのですが、この辺が、結婚生活と借金問題を解決するカギになるのではないかと考えています。


自動車ローンと自己破産

その後、ローンを組んで、自動車を購入しました。

この頃は、自分自身に約26万円の月収があり、返済に問題はありませんでした。

平塚市にお住まいだと、場所によっては、自動車がないと不便なところもあり、自動車を持っている家庭も多いかと思います。


自動車については、現金で買う方がもちろん望ましいのですが、低金利で買えるのであれば、ローンを活用することも有効な方法となります。


とはいえ、借金ですので、必要以上に高額な車を買わないようにしておいた方が無難です。


金利は低くても、全体金額が高くなれば、利息の支払い額は高くなります。

病気により収入減少

ところが、その翌年、心不全になってしまい、それまでのように働くことができなくなってしまいました。

収入も減り、返済が厳しくなりました。病気による借金です。

病気

銀行からも借入れをして、生活費や返済に回すようになりました。


病気のリスクは完全には読めないので、これにより家計が悪化してしまう事態はなかなか避けられません。
すべてを保険でフォローしようとすると、保険料が高くなり、保険貧乏になってしまいます。


そのため、できる限りの予防として、健康的な生活をするようにしつつ、一定の生活防衛資金を預貯金として確保しておくことが健康リスク対策となります。

任意整理で家計改善

その後、病気も再発してしまい、家計が更に厳しくなったため、任意整理を依頼。家計の立て直しを図りました。


任意整理とは、各債権者と個別に交渉し、将来の利息をカットする等の合意により、分割払いを進める制度です。


うまくいけば、元金だけの支払いになるので、借金が減るスピードが速くなります


また、借金の支払い金額自体も下げられることも多いです。


デメリットとしては、信用情報に乗るので、今後のクレジットカード作成等には影響が出ます。


つまり、借り入れをなくして、収入から支出を引いた余力で返済をできないと厳しい制度になります。

任意整理を断念し、自己破産へ

その後、何とか任意整理に基づく支払を続けてきましたが、体調は悪化する一方。

手術も必要となり、支出も増えてしまいます。

任意整理による支払が限界を迎え、体調の回復を待って自分の収入の中から返済を続けていくことも難しい状況となり、自己破産をすることとなりました。

任意整理では、各債権者との交渉によるので、債権者が交渉に応じないとすると、無理した返済計画でなければ解決しないことになってしまいます。

無理な任意整理はNG

そのような場合、任意整理で合意ができたものの、その後に支払いができなくなってしまい、結局、自己破産手続きを利用するしかなくなってしまうことも多いです。

もちろん、任意整理で最後まで返済できれば、裁判所を使った自己破産手続きは必要がなくなります。

ただ、ジン法律事務所弁護士法人では、他の事務所で任意整理をしたものの、最初から無理な返済だった等として、短期間で断念し、自己破産手続きを依頼してくるケースがよくあります。

任意整理計画


任意整理で話を進める場合には、自分の家計収支を見直し、本当に無理ないところで解決できるのか、しっかりと専門家と話し合いをしながら進めた方が良いと考えます。

もちろん、任意整理をチャレンジしてみて、ダメであれば自己破産の手続きということも可能ではあるのですが、余計に費用や、返済資金が必要になってしまうので、結果論としては、早めに自己破産手続きをして、経済的な構成を図ったほうがよかったということにもなりかねません。

病気による借金と免責許可

今回のケースでは、支払ができなくなってしまった理由は、病気による収入減であることは明らかでした。

そのため、自己破産手続きでも問題なく、免責許可決定をもらえています。

平塚市にお住まいの方は、横浜地方裁判所小田原支部への破産申し立てとなります。


平塚市にお住まいの方からの自己破産のご相談も無料で受け付けています。

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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