自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介147 Kさんの事例
40代 / 女性 / 自営業
借入の理由:家族の住宅ローン、出産
神奈川県海老名市在住の40代女性のケースです。
家族のための住宅ローンが主な支払い不能の原因とのことでした。
この事例は、
- 家族のための借金で苦しんでいる
- 住宅ローン破産で任意売却か競売か悩んでいる
人に役立つ内容です。
ネット決済のためカード作成
当初は、ネット費用の支払いのために銀行系列のクレジットカードを作りました。
当時は、日常的な使用をしていただけでした。
現在の社会では、クレジットカードは便利な道具です。
ETCとの連結や、多くのインターネットサービスの決済方法として必要性が高まっています。
単に、勧誘されたから作るとか、借金のために作るとなると、後に問題になる可能性は高いのですが、このように決済方法として導入するという目的であれば、全く問題ありません。
自分で管理できる範囲で、お得な決済方法としてクレジットカードを使うのは、むしろ賢い方法といえるでしょう。
家族のために住宅ローンを組む
就職後も、月収手取りは28万円程度ありました。
返済には問題ない収入を得ることができていました。
しかし、その頃、同居していた両親が不動産を買うために契約者になって欲しいと言ってきました。
親は過去に破産をしていたためローンが組めませんでした。
相談者は、会社に勤務していて安定収入があります。
相談者の名義だったらローンがおりるから、という理由でした。
親は、その不動産で自宅兼店舗をやり、そこからの収入でローンの返済をする、家族の生活費も稼ぐという予定でした。
相談者はこれを承諾し、銀行でローンを組み、不動産を購入。両親や祖父母等の家族が引っ越していきました。
住宅ローンの支払額は、月額11万円程度でしたが、5人家族の家賃と比べると、それほど高くはなく、店舗の売上から払っていけるだろうと考えていました。
親からの借金要請は断れ
同居する親が、子供に対して借金をしてくれと頼む事はよく見かけます。
残念ながら、そのような場合に、支払いができなくなり、子供が自己破産などするケースも後を絶たないのです。
本来、親が、自分で借金をできないほど信用が悪い状態なのであれば、子供名義の借金を返せる可能性も低いわけです。
しかし、子供は、親に逆らえず、これを承諾し、借金を背負わされてしまうことが多いのです。
このような構図は、親が、自分の子供の信用を利用していることになります。
借金が返済できなくなれば、子供の信用を傷つけることになってしまうのです。
親に対しては、育ててもらった恩があるかもしれません。しかし、このような信用を奪う行為に関しては、しっかりと拒絶した方が良いと感じます。
それは、あまりにも多くの家庭で、このような借金を背負わされ、支払い不能になってしまい、家庭も崩壊しているという現実があるからです。
子供自体は、お金の勉強もして、しっかりした家計管理をしているのに、このように家族が原因で借金を背負わされているケースを複数みると、非常にもったいなく感じます。
自営業がうまくいかず延滞
両親の店舗経営はあまりうまくいかず、住宅ローンの支払いをするものの、生活費が足りないと訴えてきました。
相談者は、すでに、結婚・妊娠し、休職していました。
収入だけでは親の生活費を負担することができず、エポスカードなどで借入れをして、自身の生活費の補填や親の生活費にあてました。
父は、自分のやっていることがうまくいかないと暴れたり仕事をしなくなったりギャンブルに走る人でした。
母は、店舗経営がうまくいっていないことを父に言えず、相談者に生活費の負担を求めてきたため、相談者としても負担するしかない状態でした。
子供が、負担を背負わされる典型的なパターンです。
父親に問題があり、両親の間でコミニケーションがうまく取れず、家計を管理している母親から泣きつかれるというパターンです。
父親が共感力なし、という夫婦の場合、次の動画のようなカサンドラ状態になっていることがありえます。
このような場合には、子供も注意した方が良いといえるです。
再度の妊娠で借金が増加
このような経緯で、他のクレジット会社からも追加で借入れをしました。
一定の収入がある仕事だったので、復職すれば、返済できると見込んでいました。
実際に、復職後、夫婦の収入はある程度あったので、返済ができていました。
しかし、二人目の子供を妊娠。
また休職することになり、借金が増えるという状態でした。
女性の場合、結婚、出産によって、収入が下がることで、借金の返済見込みが大きく狂ってしまう人が多いです。
これをきっかけに、自己破産するしかないという状態に追い込まれてしまうことも少なくありません。
返済計画など、かなり現実的に考えて、返済を続けてきた人も、出産による収入減少で支払いが厳しくなってしまう事は多いです。
ひとりめの出産だけならまだしも、これが2人目、3人目と続くと、やはり計画は大きく崩れてしまい返済は難しくなってしまいます。
わが国にとって、出産は非常に良いものなので、個人的には、出産したら借金を免除しても良いのではないかとすら感じています。
それくらい、出産後も返済を継続するのは難しい事例が続いています。
退職による収入減少
結局、それまでの仕事を退職することに。
子供2人を保育園に迎えにいくなどの対応も必要になったことから、自宅でできる自営業に切り替え。
1年かけて準備しながら退職をしたとのことでした。
自営業になって手取り収入は下がりましたが、何とか返済を続けられていました。
しかし、3人目の子を出産するため、2ヶ月ほど事業を止めたため、収入が減りました。
同時期に、両親の店舗経営がさらに悪くなり、また、生活費の負担を求めてくるようになりました。その負担をするため、また借金が増えていってしまいました。
住宅ローンも遅れるようになってしまいます。
結局、両親の店舗経営は断念。
自宅の任意売却と自己破産
住宅を任意売却して借金を精算しようとしたのですが、売却に至らず、住宅ローンを自分の収入から支払おうと数ヶ月頑張りましたが、とても支払えないと判断し、自己破産の相談にきました。
住宅ローンが払えずに任意売却する場合、住宅ローンを払い続けながら売り出す方法と、銀行と相談し、住宅ローンを止めて任意売却する方法があります。
一般的に不動産会社は、高く売るため売却期間を長くした方が良いので、住宅ローンを払い続けながら売りに出す方法を前提にすることが多いです。
しかし、この場合、ローンの支払いが続くので、返済が厳しい場合には、任意売却自体が難しくなってしまいます。
住宅ローン返済を止めて任意売却する方法
これに対して、住宅ローンを止めて任意売却する場合には、ローンの返済を止めるので、支払い自体はラクになります。
しかし、銀行としては、ローンの支払いが止まっているので、期限の利益を喪失し、保証会社に債務を移す代位弁済などに移ります。
また、ローンの返済が止まっているので、競売の申し立てに動くことになります。
そのため、任意売却の期間は、返済を続けながら進めるよりも短くなります。
競売と並行して、任意売却というケースもないわけでありません。
このような方法で売る場合には、銀行と協議しながら進める必要があるので、そのような対応ができる不動産業者に依頼する必要があります。
自己破産、不動産の任意売却については、どちらを先行するか、いろんなパターンがありますのでご相談いただければと思います。
横浜地裁で同時廃止により免責許可
今回のケースでは、オーバーローンであり、住宅価値よりも住宅ローンの方が大きく上回るケースだったので、自己破産手続きでは、不動産は財産とみなさないという扱いで、同時廃止で進められています。
自己破産手続きもスムーズに進み、免責許可決定が出ています。
海老名市にお住まいでしたので、自己破産手続きの管轄は横浜地方裁判所になります。
横浜地方裁判所での自己破産のご相談も無料で受け付けています。
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