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ケース紹介142 Yさんの事例

20代 / 男性 / 会社員

借入の理由:車、子育て費用、住居費


神奈川県相模原市在住の20代男性のケースです。

子供がうまれ、住居費もかかるようになった一方で、借金が300万円以上あり、支払いができないとの相談でした。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.30

自動車ローンと提携クレジットカードで借金

通勤で必要だったため、アプラスでローンを組んでトヨタ・クラウンを購入。

自動車業者から、「クレジットカードがあれば、クラウンの整備費を分割払いにできる」と言われたことから、提携クレジットカードを作成し、利用するようになりました。
この頃は、自分の収入の中から返済することに問題はありませんでした。

自動車購入時に、提携クレジットカードを勧誘され、この利用で借金生活が始まってしまう人もいます。
自動車ローンについては、若い人で組んでいる人も多く抵抗が少ないため、利用されやすい傾向にあります。
カードの借金に比べれば利率は低く設定されていますが、もともとの金額が高額なので、利息の支払い額自体は高くなっていることも多いです。

 

どうしても、その車がほしい

通勤に必要だということもあるかもしれませんが、勤務を長く継続できるのであれば、自動車を購入するより、職場近くに引っ越した方が、トータルの支払い額が安く済むこともあります。

高額な車を買う場合には、トータルの支出はどうなるのか意識しておきたいところではあります。

また、通勤に必要だとしても、高額な車に手を出す必要があるのかどうか考えた方が良いでしょう。


もちろん、自分の人生ではありますので、こういう車に乗りたいとの希望を否定するつもりはありません。

自分の価値観でそのような車が大事なのであれば、車を手に入れることは、人生の幸福感を高めてくれるはずです。

ただし、当然ながら、その他の部分では支出を抑えるなど努力が必要になってくることが多いでしょう。

何に価値を置くのか、自分の価値観をしっかり振り返りたいところです。

自分の価値観に合わないのに、見栄などで高い車を買うとか、勧誘されて高い車を欲しくなるというのはちょっと危ない傾向です。

結婚後、車を買い替え

その後、結婚をしました。

同年中には自動車を買い替えることに。

オリコでローンを組んでトヨタ・ヴォクシーを購入。

この際、オリコのクレジットカードを作成。

若い頃に買った自動車は、結婚時に買い替えられることも多いです。
配偶者も乗りやすい車などに買い換えるというケースです。

 

車の買い替えによる自己破産

これを短期間に繰り返すと、かなり損失が多くなってしまいます。
新車と言うのは基本的に、買った直後に価値が下がるので、短期間で売ると損失が大きくなります。

車の買い替えが多くて、主にそれを理由に自己破産や個人再生になってしまう人もいます。

ひどい場合には、これだけを理由に、浪費だとして管財事件になります。


ローンの借り換えによって、過去のローンも上乗せできたりすることもあるので、これによってローン額が膨れ上がってしまうことになります。

毎月の返済額だけ見れば何とか払えそうにも見えるのですが、トータルの支払額が多く、支払い期間も長く、そのため人生設計が苦労させられるケースもあります。

頻繁な車の買い替え、特に新車での車の買い替えは注意が必要です。

結婚等を考えているのであれば、その時期を見越してどおような車を手に入れるか考えた方が良いことも少なくないです。

また車の買い替えの際に、違うローン会社を利用して、そこでクレジットカードを作ることになると、単純に複数枚のクレジットカードを持つことになるので、こちらも多重債務の入り口となります。

子育て費用で生活費増

そのような状況で、子が生まれ、出費が増えました。

生活費を賄うため、キャッシングを利用するようになり、他の銀行のカードローンを利用するように。


次第に返済が苦しくなり、おまとめローンを利用しました。

ところが、その後、2人目の子が生まれ出費が増加。

それまで住んでいた実家が手狭になったため、アパートを借りることになり、更に出費が増加。

完済したカードローンを再利用するようになりました。

 

おまとめローンのデメリット

借金の返済が苦しくなって、おまとめローンを利用する人がいますが、こちらの最大のデメリットが、完済した業者から再度借り入れをできてしまう誘惑が残るところです。

おまとめローン後、完済した業者から再度借り入れをすることによって、借金が2倍近くになってしまうケースが度々報告されてきます。

おまとめローン自体は、返済をわかりやすくするメリットや、利率が下がるのであれば返済額を下げるメリットがあります。

しかし、これ以上に、再度借りてしまう誘惑のデメリットの方が大きいのではないかと感じてしまいます。
そのような誘惑に勝てる自信がない人は、おまとめローンは選ばない方が良いのではないかと感じます。

 

住居費の増加で自己破産

人生で支出の大きいものとして、子育て費用(教育費含む)と住居費があります。


子供の費用に関しては、小学校入学までにかなりの金額がかかることが多いです。
その後は一旦落ち着き、受験などがあるとその時期に跳ね上がってきます。

これらの教育費をどうクリアできるかが問題になってきます。

もう一つの支出として住居費があります。

今回のように、実家などで住居費を相当抑えられる場合には、それを利用することにより家計はラクになります。

しかし、そのようなラクな状態がいつまでも続くものではなく、今回のように住居費支出が必要になった場合には家計環境は一気に悪化してしまうことになります。

今回も、その段階で相当な債務があったことから、返済資金がなくなり、徐々に借金が増え支払い不能になってしまっています。

 

免責許可

当初の支出は、自動車の高額支出による借金でしたが、支払不能になった原因は、子にかかる費用や、住居費の増加が主なものだと認定されました。

そのたえ、免責許可も問題なく出ています。

 


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