自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介137 Hさんの事例
30代 / 女性 / 会社員
借入の理由:同棲による生活費、交際費
神奈川県厚木市在住の30代女性のケースです。
結婚相手に伝えていない借金があるとして、結婚前に相談があった事例です。
男性と同居で生活費が増える
それまで生活をしていた実家を出て、交際していた男性と同棲。
当時の収入は、月収16万円程度。
交際相手も仕事をしていました。2人の間で、家計の割り振りとして、家賃は相手が、食費とか生活費は相談者と負担割合を決めていました。
交際相手よりも相談者の方が収入が少ないので、使えるお金が少なかったのに、相手に合わせて出かけるなどしていたため、自身の収入だけでは生活費を負担することができなくなってしまい、持っていたエポスカードなどを使ってキャッシングをしました。交際相手には内緒で借りて返済を続けていました。
実家と同棲生活の生活コスト
実家を出ることによって、生活コストが上がるのは通常です。
生活コストを下げるために、実家に続ける選択をする人も多いですが、家族次第で一定の年齢になれば、実家を出なければならない家も多いでしょう。
そのような時に、一人暮らしではなく、複数人で暮らすことによって、生活コストを下げる選択もあります。
このように、交際相手と同棲するという選択をする人もいるでしょう。
住居費を折半できれば、生活コストは一人暮らしより低く抑えられます。
とはいえ、このような複数人での生活の場合には、その交際関係が破綻するなどすると、この生活を精算しなければならなくなります。
短期間で関係が終わってしまったりすると、引っ越し費用等のコストが上がってしまうことになります。
また、収入のレベルが違う相手と関係を持つと、見栄や付き合いなどにより、このような収入以上の生活をしてしまうことがあり、それを補う方法として、借金をしてしまうケースが出てきます。
クレジットカードから消費者金融で借り入れ
最初は返済ができていたのですが、深く考えずに使っていたところ、徐々に借金が増えていき、ニコスのカードでも借り入れ。
その後は、アコムなどの消費者金融にも借りるようになってしまいました。
派遣社員として転職するなどして、一時的に収入が増えた時期には、借金をしないようにし、返済に集中しました。
一部の業者への借金は完済することができました。
その後、何回か転職はしましたが、実家に戻るなどして生活費の支出を抑えたので、返済は続けられていました。
女性に多い借金のパターン
女性に多い借金のパターンです。
最初の借り入れは、丸井などのデパートで提携している家ポスカードのようなクレジットカードのショッピングを利用している。その後に、同じカードでのキャッシングをしてしまう。
これらをリボ払いにする。
そのうちに、違うクレジットカードで同じような借り入れをしていく。
これらの返済資金のために、消費者金融等から借りるという流れです。
クレジットカード会社については、顧客の囲い込みのために、店舗でのカード勧誘をしているものですが、これが、多重債務の入り口になってしまう人が一定割合いるのです。
お金の使い方として、カードで使っていると、金銭感覚が麻痺してしまう人が一定数います。
そのような人が、それまでのお金の使い方を止められないと、次に簡単に借りられる消費者金融に手を出すという流れです。
結婚で支払不能に
数年後、交際していた男性と結婚する見込みとなりました。
結婚して同居をすると、また、返済に充てられる金額は減ってしまうので、返済はできなくなると思い、法律相談に来たものでした。
返済が厳しくなると、実家に戻るなどして生活コストを再び下げる努力をしていた相談者ですが、結局、結婚という避けられないイベントが迫ってきます。
交際相手には、借金を伝えていなかったということで、同居生活を再開すると、再び生活コストが増え、返済をするための資金がなくなってしまいます。
そのため、実家にいる間に、借金の精算をしようという考えでした。
結婚相手に伝えられないということを前提にすると、同居前に精算するというのは適切な判断といえます。
借金については、結婚前に精算しておくのがマナーです。
妊娠により失職で自己破産
さらに、その後、妊娠していることが発覚し、通勤が大変な場所にあるため仕事も続けられなくなると分かりました。
結局、失職となります。
自身の収入がなくなれば、夫の収入だけでは生活するのが精一杯で、返済資金は全くでないことになり、裁判所でも支払不能は認められています。
過払い金と自己破産
取引が古かったアコムや他の商社金融について、利息制限法による計算をしたところ、過払金が発生していました。
完済していた消費者金融もあったので、金額が大きくなかったものの、過払金がありました。
これらの過払金については、裁判を起こすなどして、自己破産の申し立て前に回収しています。
金額が大きい場合には、申し立て費用を別に準備するなどして、回収業務も破産管財人に任せることもありますが、今回は、過払金の金額も少ないものでした。
そこで、破産の申し立て前に、過払い金の裁判により回収し、これを自己破産の申し立て費用にあてることで手続きを進めました。
金額としても、管財事件になるような金額ではなかったため、財産とみなされる金額が少なく、同時廃止手続きという簡単な手続で進めることができました。
妊娠中ということもあり、破産管財人が選ばれる管財手続になると、管財人の事務所や裁判所への移動も発生します。
しかし、今回は、厚木市にお住まいで、横浜地方裁判所小田原支部の事件だったということもあり、同時廃止手続により、裁判所への出席もなく、体への負担は少なく手続きを進めることができました。
結果的に、免責許可決定が出ています。
横浜地方裁判所小田原支部の破産手続きの流れ
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