自己破産ケース
ケース紹介
ケース紹介130 Tさんの事例
50代 / 女性 / パート
借入の理由:夫の事業資金、相続未了
神奈川県厚木市在住の50代女性のケースです。
夫が数年前に自己破産、自身の借金は隠していたものの、発覚してしまったので相談に来ました。
車購入時にクレジットカード作成
当初、車を購入し、その際、車代金の返済用にトヨタファイナンスのカードを作りました。
これがクレジットカード所持の始まりでした。
自動車購入の際に提携クレジットカードを作成する事はよくあります。
銀行での預金口座時にクレジットカードを作るのと同じように、多くの店舗で、クレジットカードの勧誘が行われています。特に、関連会社であればなおさらです。
販売店側にもこのようなカード勧誘のメリットがあると思われます。
自動車の販売だけでなく、後日、金利等の金融での利益をグループ全体で得ようという動きでしょう。
夫の事業資金を補填
当時、夫は自営業でしたが、夫の事業資金に充てるため、カード利用だけでなく、銀行のカードローンで借入をするようになりました。
そして、事業資金だけでなく、生活費も借入で賄うようになりました。
自身の収入はなく、家業としての夫の収入は、経費を支払うと手取りが10万円程度しか残らず、借入なしではとても生活出来ませんでした。
そのような生活が数年続きます。
夫は自営でしたが、相変わらず、経費を支払うと手取り10万円しか残りませんでした。そのため、生活費が足りず、夫も借入をして、しのいでいました。
しかし、返済ができなくなり、夫は自己破産。
家族による事業資金の補填
個人事業でも、会社の経営でも、事業にはリスクはつきものです。
当然ながらうまくいかないこともあり、そのような場合に余力がないと家族にしわ寄せが行くことがあります。
同居している家族のほか、他の親族等にも借り入れをしたり、援助を求めることも少なくないです。
同居家族の場合、預貯金の提供による援助があったりとか、家族名義での借り入れを求められることもあります。
事業者の場合、事業の見通しについて、バイアスがかかってしまい冷静に判断できないこともあります。
そのため、回復の見通しが極めて低い事業にも固執してしまい、かえって損害を増やしてしまうことも多いのです。
そのような事業への援助、運転資金の補填などを家族がすると、問題の先送りに過ぎず、いずれ事業も破綻、家計も破綻ということになりかねません。
同居している配偶者から求められると断りにくいかもしれませんが、事業の見通しについて怪しいのであれば、第三者に診断してもらうなどした方が良いことの方が多いです。
税理士が入っている場合には税理士に意見を聞くなどするのも1つの方法でしょう。
夫婦間での借金の秘密
夫は自己破産を選択。
借り入れが出来なくなったので、相談者が借入れて生活費に充てることを続けていました。
夫は就職し、給料収入を得る事ができたものの、それまでの生活費補填や過去の債務の返済を自身の借り入れで補ってしまいます。
驚くことに、このような借り入れは夫に秘密で進めていました。
結局、数年後、夫に借金が知られてしまい、関係者の助言もあって、自己破産を選択されました。
このような家計状況で、最も多いのは、夫婦ともに同時に自己破産を申し立てる選択です。
この場合、申し立ての経緯や、申し立ての添付資料などの共通するところがあるので、準備の手間が多少減ります。
裁判所の審査も同時に進むので、問題になりにくいです。
また、次に多いのは、配偶者の債務が少ない場合には、配偶者については任意整理で進め、本人は自己破産という選択です。
これに対し、このように、自己破産のタイミングを数年ずらすと事はあまり多くありません。
当然ながら、意図的に自己破産を先送りしたものではないでしょうが、その間のカード利用等によっては、事情を問われることにもなりかねません。
今回のケースは、単に、夫婦間で借金の情報を隠していたことから、申し立て時期がずれているという事情です。
夫婦で家計が同一の場合には、借金を隠した場合、たいていは破綻してしまいます。
1人が家計を握っていて、そこで借金の返済もコントロールできるならともかく、双方の収入がギリギリという場合には、借金の返済資金についても情報を出さなければ、家計がおかしいことになります。
借金情報については、言いたくないでしょうが、結婚当初から共有するのがセオリーです。
自己破産と相続財産
自己破産をする際には、両親の死亡の有無など、相続発生原因も申告しなければなりません。
相続については、しっかりと遺産分割をされていて、不動産の名義等も変更されているのであれば、問題になりにくいです。
また、家庭裁判所への相続放棄をしている場合には、法的に相続から離れるので、問題になりません。
破産手続きで問題とされるのは、これらがあいまいなまま放置されているケースです。
・誰が引き継ぐか決まったけど、名義はそのまま
・なんとなく先送りしている
などの場合には、裁判所で破産管財人を選任、相続財産を回収して配当に回すという流れになるのが原則です。
今回のケースでは、両親が死亡、同居をしていた兄弟は、遺産は何もないとの一点張り。
そこで、金融機関に預貯金口座の取引明細を開示してもらったところ、死後に、約30万の出金記録がありました。
それ以外に相続財産はないというケースです。
このような出金の場合、使途不明金として遺産分割関連問題として争われます。兄弟が出金していたとしても、葬儀費用等と相殺を主張されることもあります。
今回のケースでは、金額も少ないことから、管財事件にはせず、同時廃止により解決となっています。
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